今日は勤労感謝の日で祝日ですが、土曜日なので勤労者への恩恵は少ないようです。
勤労感謝の日の趣旨は、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう日」とされていますが、とってつけたような理由ですね。そもそも、11月23日は明治6年の太政官布告で「新嘗祭」として祝日とされていました。国家神道の色彩を消すために、戦後になって名称を変更したわけです。
新嘗祭は、新しく収穫された米を神様に捧げて感謝するという祭祀です。この祭祀の主催者は天皇陛下であり、現在でも最も重要な宮中祭事です。
日本の神話では、高天原の主宰神である天照大神自身が新嘗祭をおこなっています。
天皇が新嘗祭をおこなうのは、天照大神が秋津洲(日本)に降臨する孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に稲を授けたことにはじまります。天照大神は、瓊瓊杵尊に稲(米)をもって、国民を養うように命じました。
瓊瓊杵尊の孫が、イワレビヒコノミコトで、初代の天皇(神武天皇)となり、現在の天皇陛下は神武天皇から数えて126代目にあたります。神武天皇以来、歴代の天皇は毎年秋に新嘗祭をおこなって、神に感謝し、五穀の豊穣、国家国民の繁栄とを願っているのです。
現代において神話が生き続けている国は世界に日本だけです。ギリシャ神話の神の系譜も今につながるわけではありません。中国の歴史も僅かに4000年で神話に遡ることはできません。
日本は世界で唯一の国で、なかなか不思議な国です。
ちなみにですが、天照大神は女神です。夫はいないのですが、素戔嗚尊(スサノオノミコト)との誓いによって三女五男の八神を産みます。長男の天忍穂耳尊(アメノオシホミミノミコト)の子が瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)です。そして、その孫が初代の神武天皇です。
国連の委員会が、日本の皇位継承が男女差別だとか珍妙なことを言っていますが、わかっているのかな???