18時のNHKニュース「台湾東部地震 7人死亡 821人けが 建物倒壊などの被害」
今朝9時前に台湾東部の花蓮県沖合およそ25㎞を震源とする大きな地震がありました。今回の地震の規模はマグニチュード7.2、震源の深さは15㎞と推定されています。規模も大きく、浅い震源の地震が、花蓮市街地に近く住民もある程度多く住んでいる地域の近くでの地震です。被害の全容はまだ明確ではありません。
台湾島は、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの衝突によって常に圧力がかけられています。この圧力によって、九州ほどの広さの島ですが、海抜3000mを超える急峻な台湾山脈があります。また、しばしば大地震が起きています。
日本列島の西側もユーラシアプレートとフィリピン海プレートが衝突しています。東海より東側では、太平洋プレート・フィリピンプレート・北米プレートが複雑に衝突し合っています。
東京、大阪、名古屋という日本の三大都市圏は巨大地震に襲われるリスクが、世界で最も高い都市圏であることはよく知られています。
三大都市圏に住んでいる人たちが、地震や津波などへの感受性を高めることは重要です。しかし、どうも心もとない印象があります。
特に気になっているのが、高層ビルの建築ラッシュです。建物そのものは耐震性が確保されているのだとは思いますが、高層ビルは震災が起こるとリスクが大きいです。
高層ビルには長周期振動という十分には解明されていない問題もあります。
時間帯によっては、高層ビル1棟には1万人以上が滞在している場合があります。大震災では、特に高層階では、原則として避難をせずに滞留することになります。エレベーターに閉じ込められたりすることも考えられますが、部屋に閉じこもる期間が長期化する可能性もあります。
また、高層ビルは建築中の危険も気になります。今日の台湾の地震では、建築中のビルの最上部から資材が落下して、隣のビルに激突して壁を破壊した動画が流れました。かなり怖いです。
中国と中東諸国では高層ビルの建築ラッシュが続いています。これらの国と違って地震大国である日本で、しかも最もリスクの高い東京や大阪に高層ビルが林立していくというのは、不安が募ります。高さを競うのは、ほどほどがいいです。
ヨーロッパの多くの都市に極端な高層ビルがないのは、その町の古来からのランドマークである教会の塔とか、宮殿の塔が見えなくならないようにです。
戦災で焼け野原になった日本の三大都市圏にはランドマークに該当する建造物が無く、高層建築の歯止めも効かないのです。
日本でも戦災を免れた京都市には高さ制限があって高層ビルは建てられませんでした。ところが、2022年に京都市はこの高さ制限を緩和して、一部では解除(制限なし)にしています。
これも心配です。