下関沖で死者9人、行方不明1名の重大な海難事故が発生しました。救助されたのは1名だけ。
20日午前7時半頃、下関市の沖合で11人(韓国人2人、インドネシア人8人、中国人1人)が乗った韓国船籍のケミカルタンカー「KEOYOUNG SUN」が転覆しました。死者・行方不明10名で救助されたのは1名だけです。日本海とはいっても、本州本土からも九州からも近い距離ですし、乗組員もプロなので、にわかには信じられない規模の被害です。
![関門海峡を航行中のK.S.号](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=341x1024:format=jpg/path/sa3592213af7de219/image/iae7a1d9e5208b7f9/version/1711062704/%E9%96%A2%E9%96%80%E6%B5%B7%E5%B3%A1%E3%82%92%E8%88%AA%E8%A1%8C%E4%B8%AD%E3%81%AEk-s-%E5%8F%B7.jpg)
死者が出るような海難事故は、漁船、プレジャーボート、遊漁船などで多く、貨物船や旅客船ではあまり起こりません。
貨物船や旅客船は、専門の船員によって、毎回ほぼ同じ航路を行くので、操船技術が確保されているうえに、危険を察知する能力も高いと思います。
今回、転覆したケミカルタンカー(K.S.号)は、14日午前に韓国蔚山を出航し、北九州八幡港を経由して、兵庫県網干港に到着。18日の午後3時前に網干港を韓国に向けて出航しています。関門海峡を抜けて日本海に進行するのは、勝手知ったる航路です。
1996年に日本で建造された、全長68.8m・幅10.8m、総トン数870トン、載貨重量トン数1170トン(転覆時はアクリル酸980トンを積んでいた)の小型ケミカルタンカーです。
![転覆場所](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=342x1024:format=jpg/path/sa3592213af7de219/image/i99b22abc80464325/version/1711062714/%E8%BB%A2%E8%A6%86%E5%A0%B4%E6%89%80.jpg)
暴風警報が発令されたことで、対馬の東海上の日本海から、下関沖の蓋井島と六連島の中間辺りの赤丸の位置まで引き返して、錨を下ろして停泊していたということです。
この周りには、同じように錨泊している船が複数あったということで、適切な操船だったようです。
何故、転覆したのかというのは大きな謎です。また、仮に転覆したとしても、1名を除いて救命されなかったのかも謎です。これだけ、大きな海難事故は稀ですから、これからの調査を待ちたいと思います。