先日のブログで右派と左派で、改憲と護憲がテレコなのは不思議だと書いたら、ある方から「答えは井上達夫にある」と教えてもらいました。
禁じ手ですが、「Wikipedia(井上達夫)」にある解説が実にわかりやすいので、ちょっと参照します。井上達夫(1954年生)は、日本の法哲学者。東京大学名誉教授。日本を代表するリベラリストであり、ジョン・ロールズやトーマス・スキャンロン、マイケル・サンデルといった哲学者らの議論を日本に紹介した第一人者と紹介されています。
井上達夫は、リベラリストとしての立場から、憲法9条を削除する「9条削除論」を提唱しています。
憲法9条の議論での護憲派・改憲派の双方の立場を痛烈に批判し、憲法を軽んじる欺瞞だといっています。
井上達夫の主張は、安全保障の問題は通常の政策であり、民主的プロセスを通じて討議されるものである。というものです。
特定の安全保障観を憲法で固定化するのは誤りである。自らの考える政策を、憲法に紛れ込ませて、民主的な討議を拘束しようとするのは、護憲にしろ改憲にしろ、アンフェアだと言っています。
確かに、もはや憲法に9条が無くても困らないような気がします。憲法上では自衛隊は存在していないのですが、自衛隊という戦力の必要性に疑問を持つ日本国民はおりません。認めないとされる交戦権という単語も、明確な定義はありません。
なるほど、9条削除論は結構合理的で、改憲vs護憲の紛争を解決する手段になりそうです。