令和6年度の潜在的な国民負担率は50.9%に改善見通しだそうです

先日、財務省から令和6年度の国民負担率の見通しが発表されました。☞ 令和6年度の国民負担率を公表します

 

国民負担率とは、租税負担率と社会保障負担率を足したものです。租税負担率とは、国税と地方税の負担額を国民所得で除したもので、社会保障負担率は社会保障負担額を同じく国民所得で除したものです。これに実質的な国民負担である財政赤字を加えたものを潜在的国民負担率と言います。

 

令和6年度の国民負担率は45.1%となる見通しで、令和5年度(46.1%)から1ポイント下がると推計されます。令和6年度の潜在的国民負担率は50.9%と、令和6年度(54.6%)から3.7ポイント下がる見通しです。

 

国民負担率が下がるので、良かった良かったと喜んでよいかというとちょっと違います。グラフにしてみましたので確認してみてください。

 

棒グラフで黄色が租税負担額です。消費増税などもあって税負担額は増加しており、令和6年度では国税が約75兆円、地方税が約44兆円で合計119兆円の見通しです。社会保障負担は少子高齢化によって増加しており令和6年度見通しは約82兆円です。

税と社会保障を合計した国民負担は、初めて200兆円を超えそうです。

これに国民負担の先送りである財政赤字の26兆円を加えた226兆円が潜在的国民負担となります。

 

分母になる国民所得ですが、令和2年度(2020年度)にコロナ騒動で大きく減少(376兆円)して以降、V字回復を見せており令和6年度は443兆円になる見通しです。実に4年間で18%の増加です。コロナ前の平成30年度(403兆円)と比較しても10%も増えています。

 

日本の国民総生産(GDP)がドイツに抜かれて世界4位に転落するというニュースが流れていますが、邦貨のGDPの令和6年度見通しは615兆円と史上初めて600兆円を超えます。

コロナ前の平成30年度(557兆円)から10%超の増加です。

平成30年度と令和6年度のGDPを米ドル換算すると、5.04兆ドルから4.10兆ドルに19%も減少するということになります。

 

国民負担率の計算は邦貨(円)でおこなうのが当然なので、負担率が下がるのはストレートにとらえればいいのかも知れませんが、国民所得が急激に増加しているのは、大幅な円安の効果であることを理解しておくべきです。

 

現在の為替水準が行き過ぎた円安であるということは間違いないところです。購買力平価とのギャップを埋めるように、為替が調整される局面がどこかで来ると思います。つまり、国民負担額はそう簡単に下がることはないでしょうが、為替変動によって国民所得は減少する可能性は高く、国民負担率が高くなることは想像されます。