ロシアの経済成長はウクライナ侵攻前と同じ水準

ロシアの2023年第3四半期のGDP成長率はプラス5.5%でした。

 

2022年2月にはじまったウクライナ侵攻と、それに対する西側諸国の経済制裁によって2022年第2四半期以降の4期はマイナスだったロシアのGDPは2期続けて大きなプラスになりました。欧米への輸出の減少を、中国、インド、アジア向けで完全にカバーしており、経済制裁は見掛けとしては効果がなさそうです。

 

ロシアと日本のGDP成長率推移
ロシアと日本のGDP成長率推移

ロシアと日本のGDP成長率の推移をグラフにしてみました。

 

2022年の2QのロシアのGDPが大きなマイナスとなったのが、ウクライナ侵攻に対する経済制裁の影響です。ロシア経済のダメージは、制裁開始時点のどのような予測よりも小さかったうえに、その後は急速に回復しています。

 

貿易収支では、欧米と日本からの輸入額は確かに減りました。しかし、パイプラインで直結している欧州向けガス輸出があまり減らず、中国、インド、アジア向けの輸出は逆に増えたことで貿易黒字が拡大しています。

イランへの経済制裁のときも同じですが、エネルギー資源輸出国への経済制裁は効果を出しにくいことがわかります。

 

日本のGDP推移をみると、2020年2Qと3Qの大きなマイナスが目立ちます。新型コロナウイルスによるロックアウトが原因です。2021年2Qに反動増がありました。その後、新型コロナウイルスが日本人にとって大した脅威ではないことが知られるようになるとGDPはプラスに転じています。

2023年のGDPは安定した成長をしているようにも見えますが、正式な5類移行は2023年5月です。未だに反転増が低水準で続いているともいえそうです。

 

日本経済が成長の力強さを本当に発揮するには、課題が多くて、且つ増えているように思います。もっとも大きな課題が、トップマネジメントの覚悟の乏しさにあるように思えて、闇の深さを感じます。

プーチンの意思決定の結果を評価することは全くできませんが、少なくとも覚悟を持って決断していることは確かです。