日本の軍需産業育成へのビジョンを議論して欲しい

今の国会で、防衛費増額についての議論がされることはなさそうです。

 

日本の防衛費には、これまではGDP比1%という緩いながらもキャップがありました。このため、大幅な増額はされないものの安定的な防衛費支出が続きました。さらに、一部の例外を除いて、日本は国内で開発・生産した武器を輸出してきませんでした。輸入も安保同盟を結ぶ米国以外からはかなり限定的でした。

 

国産 機動戦闘車
国産 機動戦闘車

日本だけではなく、世界の安全保障環境には大きな変化がおこっています。冷戦終結以降は、世界の軍需費は減少していましたが、 今や大幅な増加に転じています。

 

現代の兵器には、最先端のテクノロジーが集積されています。研究開発に、多くの人員、膨大は予算が必要で、且つ長期間に渡る高度なマネジメントが求められます。

これは、軍需産業を担う主要企業は、軍需の専門企業ではなく、航空宇宙やエレクトロニクス産業の分野で高い生産性を持たなければならないことを示します。

 

軍需産業が拡大し高度化していくために、アメリカ、中国、ロシアといった軍需大国であっても、全ての軍需に関わる開発生産を、自国だけで賄うことができなくなっています。同盟国どうしで(時にはその垣根を超えて)協働していくしかなく、企業グループの構成や再編が進んでいきます。

 

日本の軍需産業は、冒頭に書いたように、日本独自の政策に守られて、事業の効率化を図るには至っていないようです。日本の軍需企業が、それぞれの得意分野をもってシナジー効果が発揮できるような再編が望ましいと思います。

 

米国トップの軍需企業、ロッキード・マーチンは年商8兆円、2位のボーイングは4兆円といった巨大な規模です。極論すれば、軍需産業で日本企業が存在感を示すには、オールジャパンの再編が必要でしょう。

戦争を望むわけではないのですが、ものづくり産業としての軍需産業は、すそ野が広く、応用範囲が深い魅力的な分野です。中小企業にとっても、参入の機会を探したいところです。