海藻を消化できるのは日本人だけという都市伝説

日本人は古来から昆布(コンブ)、海苔、ワカメなど海藻を食べていました。

 

海藻の消費量が多いのは、日本、韓国、台湾。フィリピンなどアジアの国です。欧米の人は海藻を食べる量が総じて少なく、比較的たくさん食べるののはフランス、アイルランド。アメリカ。カナダ、チリなどです。日本人(アジア人かな?)しか海藻を消化できないという都市伝説がありますが、欧米人が全く海藻を食べられないわけはありません。

 

ブルーカーボン
ブルーカーボン

この都市伝説が生まれたのは、「一部の日本人から、生の海苔を分解できる腸内細菌を発見した」というフランス人の論文だそうです。(これも都市伝説かも知れませんので悪しからず)

 

日本人全員がそんな腸内細菌を持っているとは書いてありませんし、そもそも加熱調理をしていない生の海苔を大量に食べる機会はないので、日本人でも消化できるかどうかは不明です。また、欧米人の腸内に生の海苔を分解できるものが含まれていない、と確かめたわけでもありませんから、要するに都市伝説なんですね。

 

それはさておき、海藻は意識して多めに食べたほうがよいようです。

日本人はお米など穀物を食べる量が減っていることから、食物繊維の摂取量が年々減っています。目標摂取量は1日に男性で21g、女性で18gですが、実際は14gに足らないくらいです。

食物繊維の不足は、便秘の原因となり大腸がんなどのリスクを高めるうえに、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクを高めます。

 

海藻には食物繊維(しかも水溶性)が多く含まれます。 便通の改善に効果が高いようです。ちょっと注意が必要なのは、便通の改善とはお腹が緩くなることなので、あまり大量に食べると下痢様の状況になります。何事も過ぎたるは・・です。

 

海藻には食物繊維のほか、ミネラルやビタミン、それに良質のたんぱく質を含むので、海に囲まれた日本ですから、消費拡大を期待したいところです。

また、少し話がずれますが、海藻も植物なので光合成をするのに、二酸化炭素を消費します。つまり海藻の消費が増えて、漁師さんが海藻をたくさん採ると、また海藻が生えてきて二酸化炭素を吸収します。つまり、地球温暖化の緩和に少しだけですが役に立ちます。