広島県の省エネ相談会が広島大学東千田キャンパスでありました。
広島大学は大学病院のある医学部を除く、全てのキャンパスを東広島市に移転しておりましたが、今年の春から、法学部が元あった広島市の中心部、東千田に戻ってきました。28年ぶりのことで、大学の都心回帰が地方都市でもはじまったと話題になっています。
昭和の終り頃から平成の初めにかけて、大学が大都市の中心部から、郊外に移転していきました。広大なキャンパスを確保でき、新しい建物、豊かな自然環境のなか、生活費も安く抑えられるので、研究や勉強には適していると考えられていました。
しかし、平成に入って10年もすると東京の大学(一部の学部)では早くも都心回帰の動きが見え始めます。当時は、郊外移転の波に出遅れていた大学もあったので、行く大学と戻る大学が輻輳するようなこともありました。
大学の都心回帰にはそれ相応の意味があるのでしょうが、なんだかちょっともったいない感じもします。よい教育環境を捨てて、世界最大の都市のど真ん中に戻るのが正しい選択なのだろうか疑問もあります。
世界の有力な大学は行政都市の都心にはあまりないように思います。まぁ、世界といっても欧米のことですが。
ランキング順に、オックスフォード大学は人口15万人の大学都市オックスフォードにあります。カリフォルニア工科大学はロサンゼルスの隣ですが、人口13万人のパサデナという町にあります。
ハーバード大学があるのはボストンの近くにあるケンブリッジという人口10万人ほどの町です。ケンブリッジ大学のあるケンブリッジ市も人口14万人で、うち2万人が学生です。学生と教職員合わせて3万人のスタンフォード大学のあるスタンフォードの住民は2万人だそうです。
大学も経営が大事ですから、学生に来てもらわなければなりません。都心のほうが集客に有利ということなんですが、少し腑に落ちない感じはします。