昨日のブログの続きです。評判の高い近江商人の「三方よし」の発展です。
「三方よし」とは、「売り手よし・買い手よし・世間よし」。売り手も買い手も満足できて、社会貢献もできる商売をするという意味です。社会の持続可能性という概念から、これに「未来よし」を加えた「四方よし」も定着しています。その近江商人の真髄が「陰徳善事」という考え方です。
「陰徳善事」とは、仏心のように無心で良いことをおこなうという意味です。
近江商人は、善事に何かの対価を求めことは無く、奉仕することそのものを喜びとしていました。近江商人は浄土真宗を深く信仰しており、仏の心に近づくために徳を積むことに喜びを感じていました。
また、成功した近江商人は、自らの成功を世間のお陰であり、世間の恩に報いるという報恩の考えを強く持っていました。
近江商人の「陰徳善事」は素晴らしいです。日本人の心に響きますが、どうも現在の国際社会では不利になるようです。
世界の人には、仏の心を持っている、あるいは目指している人はあまりいないようです。いつかはわかってもらえるとおもっても、そのいつかは来ません。やはり、善事をアピールしていくことが必要です。
日本人は自らアピールすることは苦手ですし、アピールし過ぎると同じ日本人に反感を買うことにもなります。そこで、信頼できる第三者によって、日本の善事を世界に向けて発信することが大事です。
その第三者とは、日本政府や日本のマスコミはもちろんですが、日本国民、日本と関わりを持った外国人なども含まれます。SNSの発信力が大きくなっていることは、今の日本には追い風になっていますが、予期せぬ炎上もあり注意が必要でもあります。
もう一つ重要と思うのは、研究者による発信です。日本の大きな課題が社会科学分野からの学術論文の数と内容が乏しいことです。英語など日本語以外での言語で執筆されるものが少ないです。
日本の研究者が、日本のことを正規の論文として発表できるような環境をつくらないといけませんね。(日本では、人文社会科学分野全て合わせても、博士号を取得する方は年間1500人ほどしかしない。)