こんにゃく芋はほとんど群馬県だけでつくられる

こんにゃくは日本中で食べられますが、生産の約95%が群馬県で占められています。

 

農産品の場合、1つの県に生産量が偏ることはあります。ただし、シェア95%超えとなると、北海道のてん菜・ゆり根・わさび大根くらいじゃないでしょうか? さとうきびは沖縄県60%・鹿児島県40%でこの2県で100%です。こんにゃくのように、日本中で馴染のある農産品が群馬県1県で生産されているのは多いに驚きます。

 

こんにゃくには味噌が合う
こんにゃくには味噌が合う

国内のこんにゃく芋の年間生産量は5万tを超えるくらいです。同じイモ類でも、じゃがいもの年間生産量は200万トン、さつまいもが70万トン。さといもが10万トンくらいなので、こんにゃく芋の生産量は少ないです。

 

こんにゃく芋は、しゃがいもなどと同じくタネイモから増やすします。しかし、じゃがいもが1年で収穫できるのに対して、こんにゃく芋は春に種付け秋に収穫を繰り返して、出荷できるよういなるまで3年かかります。しかも、冬の間の保管などの手間もかかるので、生産がなかなか難しい作目です。

 

こんにゃくの消費のほうは、意外なデータになっています。総務省の家計調査で県庁所在市と政令市の合計52市の、こんにゃく消費額ランキングで群馬県前橋市は41位と結構な下位です。こんにゃく芋はつくるけど、あんまり食べない?ということですね。

 

こんにゃく消費額の多い上位5市は、山形市・青森市・盛岡市・福島市・新潟市の順です。少ない下位5市は、那覇市・福岡市・岡山市・和歌山市・熊本市です。こんにゃく消費額は北高南低ということです。

 

さて、山口県のこんにゃく事情です。こんにゃく芋の生産をしている地域はあるのですが、農水省統計で公表されないくらい少ないです。近隣では広島県など県外からこんにゃく芋を調達して、いわゆる田舎こんにゃくをつくっている地域がいくつもあります。

 

こんにゃくは大手メーカーが参入しにくい食品です。こんにゃくメーカーの最大手は群馬県のヨコオデイリーフーズですが、年商は90億円くらいです。

こんにゃくは、全国の小さな会社やお店が、それぞれの地域の気候風土と水を活かして、独特の風味をつくっているというわけです。

 

☞ 一財)日本こんにゃく協会