普通配当、特別配当、記念配当にあまり違いはない

配当とは、株式会社が株主に分配する利益のことです。

 

配当には、決算期に株主に配当される「普通配当」以外に、「特別配当」「記念配当」があります。特別配当は、何かの事情で利益が大きく増加したときに、一時的に配当するもの。記念配当は周年記念などを理由に、一時的に配当するもの。と定義されます。尚、記念配当は日本にだけある慣行です。

 

配当
配当

日本の大企業は内部留保をため込んでいると非難されることがあります。確かに黒字企業の配当性向がアメリカや欧州の企業に比べて低いのは事実です。

 

しかし、東証プライム市場に上場している企業の93%が配当を実施しています。日本の全上場企業では80%以上が利益を配当しています。

アメリカの上場企業で配当を実施しているのは30~40% 、欧州企業でも60~70%で、日本の有配企業比率は世界で突出して高くなっています。

 

つまり、日本の上場企業は、仮に業績が少々悪化しても、株主配当を継続して、配当の減

少も可能な限り避けようとします。日本型を好むのか、欧米型がよいかは、いろいろと思います。

 

さて、配当を実施している会社の2~3%が特別配当を、5~8%くらいが記念配当をしています。特別配当を実施する会社は、かなり少ないです、逆に、日本に独特な配当である記念配当をする会社のほうはそこそこあります。

 

特別配当や記念配当は一時的な配当といっても、株主にとって配当には違いはありません。日本の上場企業は、特別配当や記念配当をおこなった翌期にもその配当分を普通配当に上乗せして、配当総額を維持しようとすることが多いです。

それでも、どうしても業績が悪くなった場合に、特別配当や記念配当なら減額や廃止することができます。言い方が不適当かも知れませんが、特別配当や記念配当は経営者が保険を掛けているという意味が強そうです。