日本の太陽光発電は日が射さないのが問題

日本の太陽光発電の平均設備利用率は地上設置の場合で約16%です。

 

日本は太陽光発電設備容量は2021年末で78.2GWです。OECDでは、欧州連合(EU)が178.5GW、アメリカが122.9GW、インドが60.4GW、オーストラリアが25.4GWです。国土が狭く、森林の占める割合の高い日本なので、どこに行っても太陽光パネルが設置されています。日本は世界の太陽光発電設備大国ですが、実は大きな問題があります。

 

太陽光エネルギーの変換効率
太陽光エネルギーの変換効率

太陽光発電にはいくつかの方式があります、最も多いのはシリコン系です。

シリコン系太陽電離の理論変換効率は29%ですが、いろいろな損失があって一般には20%が上限です。さらに、パワコンや送電による損失もあります。

 

日本の太陽光発電は変、損失を減らす改善をおこなって換効率が世界のなかでも高くてなっています。試験段階では効率24%に達したものもありますが、実装では21%くらいが限界のようです。

 

この変換効率は入射する光エネルギーを電力に変換する効率のことです。当たり前のことですが、入射する光エネルギーが少なければ、いくら変換効率を高めても発電量は増えません。

日本では太陽光発電を設置する適地には、この10年余りでほぼ設置してしまったように思えます。山口県でも中山間地を走っていると、谷あいの朝や夕方には日が当たらないようなところにも太陽光発電のパネルが設置されています。

 

また、そもそも世界でも雨や雪の多い日本は、日射量が少ないという問題もあります。

GLOBAL SOLAR ATLAS(ENERGYDATA.INFO)のmapを貼り付けました。赤いところが日射量の高いエリア、オレンジ色・黄色・緑色と日射量が減っていきます。日本列島に赤いところはほとんどありません。

 

例えば、東京千代田区の全天日射量は1347.7kWh/kWpです。日本海側の新潟市は1179.5kWh/kWpです。日本全土の平均は1257.8kWh/kWpです。

この日射量は世界210か国中で182位に当たります。1位はナミビアで、210位はアイスランドです。上位は低緯度にあるアフリカや中東の国々が占めます。

 

先進国では、オーストラリアが全体50位に入り、全天日射量は1718.1kWh/kWpで日本の1.37倍です。スペインが83位で日本の1.28倍、アメリカは91位で1.26倍、イタリアが140位で1.16倍、中国は151位ですが1.13倍です。

西欧のドイツなども日射量が少ないという同じ課題があるのですが、スペインやイタリアなど日射量の多い国から太陽光で発電した電力を送ってもらうことができます。

しかし、島国の日本は他国からの融通ができません。日射量を増やすことは直接にはできないので難しい問題です。