2023年の黄砂飛来。地球温暖化との関係は正か負か

当地でも黄砂が飛来して山が霞んでいます。ただ、報道で言われるほど酷くはありません。

 

(環境省)黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象です。

 

黄砂(中国内モンゴル。バヤンノール市)
黄砂(中国内モンゴル。バヤンノール市)

黄砂はこれまでもしばしばやってきます。視程が悪くなるほどの酷い黄砂も稀にはあります。クルマの上に砂が積もるようなこともたまにあります。

今のところでは、今回の黄砂は予想したほどには酷くはありません。それでも、アレルギーの薬を飲んで 予め備えています。

 

今は気象庁や気象会社のサイトで黄砂予報が簡単に見ることができます。昔は黄砂の元になる場所に近い中国の都市(例えば、内モンゴルのバヤンノーン市)の天気をみていました。晴れて風の強い日が続くようなら、日本に黄砂が飛んでくる可能性が高くなります。

もっとも、黄砂は日本にだけ飛んでくるわけではなく、太平洋に広がってハワイあたりでも観測されるそうです。詳しく調べると、アメリカ大陸からヨーロッパを通って、地球を一周してもいます。

 

巻きあがる砂の量では、中国大陸からの黄砂より、アフリカ大陸のサハラ砂漠からの砂のほうが多いそうです。黄砂は文字通り黄色いですが、サハラの砂は酸化鉄を含むので赤いです。サハラの砂がヨーロッパに飛来して赤い雪が降るとニュースになります。サハラの砂は大西洋を越えて南米にも飛んでいきます。

 

黄砂やサハラの砂がたくさん飛ぶのは地球温暖化や環境破壊による砂漠化が原因の一つと言われます。ただ、砂が大量に大気中に滞留するので、日射を遮って温暖化の進行を抑止するという説もあります。気象庁の黄砂日数のデータからは、黄砂と地球温暖化の関係ははっきりしません。

 

☞ 2017/05/08 5月に3日連続の黄砂は珍しい

☞ 2021/04/21 今年(2021年春)は黄砂が多い

 

気象庁webサイト(黄砂情報)
気象庁webサイト(黄砂情報)