家庭でのエネルギー使用の実態把握には、環境省の「家庭部門のCO2排出実態統計調査」が役に立ちます。
令和3年度(2021年度)の結果が公表されましたので紹介します。世帯当たりの年間CO2排出量は2.74t-CO2。内訳は電気が66.4%・都市ガス15.3%・LPガス5.8%・灯油12.8%でした。年間エネルギー使用量は30.9GJで内訳は電気が48.5%・都市ガス26.2%・LPガス8.4%・灯油16.5%でした。
![2021年度 世帯当たり年間CO2排出量・構成比](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sa3592213af7de219/image/i36e18e249d9c9189/version/1680832808/2021%E5%B9%B4%E5%BA%A6-%E4%B8%96%E5%B8%AF%E5%BD%93%E3%81%9F%E3%82%8A%E5%B9%B4%E9%96%93co2%E6%8E%92%E5%87%BA%E9%87%8F-%E6%A7%8B%E6%88%90%E6%AF%94.jpg)
円グラフは環境省調査の結果です。
山口県に住んでいる人にとっては意外なデータのように思えます。
環境省は地方別のデータも報告しています。中国地方の場合は、世帯当たりの年間CO2排出量は3.21t-CO2。内訳は電気が79.8%・都市ガス5.3%・LPガス6.2%・灯油8.8%でした。電気の割合がずっと高くて、都市ガスや灯油が少ないです。
都市ガスは、関東地方や近畿地方のいわゆる都市部で多く使われます。これらの地方ではLPガスのシェアは低くなります。
灯油は、北海道や東北地方、北陸地方で主に冬季にたくさん使われます。熱源として使う場合には電気より灯油の方が効率が高いこと、フローエネルギーである電気より、ストックエネルギーの灯油やLPガスのほうが万一の場合に安心です。
少し加工したグラフを紹介しておきます。
世帯当たりのエネルギー消費は年々減少していましたが、2020年度に一時的に増加しています。コロナ禍での外出自粛や在宅勤務増加などで家庭にいる時間が増えたことが要因と思われます。
2017年度と2021年度を比較すると、エネルギー構成では電力が2ポイント・都市ガスが1ポイント増えて、灯油が3ポイント減っています。北海道や東北でも都市部に人口集中しているので、利便性の高い電力への移行が進んできたようです。
足許のエネルギー価格の高騰があり、近い将来炭素税の導入もありそうです。家庭でのエネルギーミックスが容易にできれば、そのときそのときで有利な選択ができます。
しかし、実際はイニシャルコストの負担や、契約関係、戸建てですと1割強の家庭には太陽光発電が設置されているといった事情から、なかなか難しいです。よく考えておかなければならないですね。