日本のスマホ料金は高すぎるのか?楽天モバイル巨額詐欺事件

楽天モバイル(東京)の携帯電話の基地局整備を巡る詐欺事件で、警視庁は近く、同社元部長ら男3人を詐欺容疑で再逮捕する方針を固めた。業務委託費の水増しによる同社の損害額は約100億円に上るとされ、警視庁はこのうち約50億円が元部長に還流し、ブランド品や高級車、不動産購入費などに充てられたとみて捜査している。(読売オンライン2023.4.3)

 

楽天モバイル
楽天モバイル

楽天モバイルは「あきれるとしか表現のしようがない常軌を逸した散財ぶりである」と指摘しているそうですが、外から見れば楽天モバイルのほうが「常軌を逸したガバナンスの欠如」のように見えます。

 

皮肉なことに、今回の巨額横領事件によって、日本のスマホ料金が高い理由がよく分りました。スマホの通話を確保するには、基地局を整備することが必要で、これには100億円くらい消えても気づかないほどの巨額な費用がかかるということです。

NTTドコモ(26万)・KDDI(20万)・ソフトバンク(17万)に比べて基地局数の少なく(5.2万)、後発優位を享受できる楽天でも1.5兆円という投資規模です。2022年度の単年の投資額も約3000億円に上っていますし、2023年度も同規模の投資になるようです。

 

それにしても、楽天のモバイル事業は本当にダイジョウブなんでしょうか?

楽天モバイルは、2022年度の売上高1910億円に対して、営業損失は4593億円(モバイル事業では4928億円)と巨額の赤字です。

楽天グループ全体でも3639億円の営業損失(3期連続赤字)ですから、他の事業でカバーするのは難しいようです。楽天の社債及び借入金は1兆7608億円(銀行・証券・カード事業を除く)とあり、さらに膨らんでいきそうです。「高すぎるにはワケがある。」なんてことにならないとも限りません。

 

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楽天グループ 2022年度決算資料より
楽天グループ 2022年度決算資料より
楽天モバイル B/S
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