「アイリス物語」を読んで大きな中小企業を目指そう

照明のLED化はかなり進みました。国内LED照明のシェアトップは金額ではPanasonicですが、個数ではアイリスオーヤマです。

 

中小企業に省エネ提案をする場合に、アイリスオーヤマのライティングソリューションwebサイトを参考にすることがありますし、商品を提案して補助金申請した(注:今はLED照明だけでは、なかなか補助金の対象にはなりません)こともあります。アイリスオーヤマは、現在の会長・大山健太郎氏が小さな小さな町工場から一代で築きあげました。

 

アイリスオーヤマ売上推移
アイリスオーヤマ売上推移

大山健太郎氏の父が営む大山ブロー工業所は、プラスチックのブロー成型をおこなう、従業員5人の下請け町工場でした。

1964年に父が癌を患い亡くなったことで、高校を卒業したばかりで19歳だった健太郎氏が経営を引き継ぎます。当時の年商は500万円ほどでした。

現在のアイリスオーヤマのグループ年商はおよそ8000億円です。60年足らずの間に、売上高は16万倍になりました。 

 

アイリスオーヤマのwebサイトにある「アイリス物語」はとても興味深いので、是非読んでみてください。第二話の冒頭部分をコピペします。 


第二話「脱下請けで売上100倍」

「町工場のオヤジで一生を終えたくない」という強い意志を持つ健太郎は、メーカーになり自社開発した自社ブランドの商品を製造したいと考えました。当時はプラスチック自体が先端産業で成形技術が確立されていなかったので、他社の嫌がる仕事、難易度の高い仕事を受けるようにしました。また、稼いだ利益は生産設備の強化に使い、量産化と効率化を進めていきました。そして、失敗を繰り返しながらも技術を磨いていき、ついに自社製品を開発したのでした。 

 

メーカーとして独り立ちした最初の商品は「養殖用のブイ」。

健太郎が21歳の時のことです。当時、各地の海で養殖が盛んにおこなわれており、ガラス製の「浮き」が多く使われていました。ここに目を着け、割れやすいガラス製に置き換わるプラスチック製の「浮き」を開発しました。

水産業の中でもニッチな商品ではありますが、軽くて壊れにくいこのブイは待望の商品として養殖業界で瞬く間に普及する商品に成長し、今日のアイリスオーヤマの礎を築きました。


アイリスオーヤマの企業理念は5項目です。

その1番目が「会社の目的は永遠に存続すること。」「いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立すること。」とあります。

2の「社会貢献」、3の「社員の成長」、4の「顧客創造」、5の「成長・革新志向」と、サステナブルな会社であることがアイリスオーヤマの企業理念であると示しています。


アイリスオーヤマ 企業理念

1.会社の目的は永遠に存続すること。

いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立すること。

2.健全な成長を続けることにより社会貢献し、利益の還元と循環を図る。

3.働く社員にとって良い会社を目指し、会社が良くなると社員が良くなり、社員が良くなると会社が良くなる仕組みづくり。

4.顧客の創造なくして企業の発展はない。生活提案型企業として市場を創造する。

5.常に高い志を持ち、常に未完成であることを認識し、革新成長する生命力に満ちた組織体をつくる。


アイリスオーヤマの経営スタイルには、他の企業とはかなり異なるところがあります。企業理念や経営者の信念に基づいて、揺るがない頑固なところも多いです。一方で、いろいろな工夫を重ねてとても柔軟なところもあります。

アイリスオーヤマは、大きくて小さい会社をつくることを目指している若い中小企業経営者にとって、最も学び習う(倣う)べき対象の一つです。