なかなかアフリカ勢は遠い。大阪マラソン2023

大阪マラソンで西山和弥選手が2時間6分45秒で初マラソン日本最高記録を樹立した。

 

西山選手が日本人1位で、2位の池田燿平選手も2時間6分53秒で同じくこれまでの初マラソン日本最高記録を更新しました。ニュースでは西山選手と池田選手のことがたくさん報道されていますが、このレースでは西山選手は6位、池田選手は7位でした。優勝はエチオピアのキロス選手、2位はウガンダのキプランガッド選手、3位はタンザニアのシンプ選手、4位はケニアのカマウ選手、5位は南アフリカのモコカ選手でした。

 

一番左が1位のキロス選手・6~8番が西山選手・池田選手・大塚選手
一番左が1位のキロス選手・6~8番が西山選手・池田選手・大塚選手

上位はアフリカ勢で占められていて、日本選手は健闘はしましたがトップにはなかなかなれない状況が続いています。

現在において、長距離・マラソンのパフォーマンスを決定するのは、<最大酸素摂取量×酸素摂取水準> で求められます。略語で書くと<VO2max×%VO2max>になります。これは走っているときのエネルギー出力のことです。

 

トップクラスのマラソン選手は、VO2maxが80台です。比較になりませんが、ガーミンウォチで計測される私のVO2maxは40台ですから、トップランナーの有酸素能力は私の2倍ということになります。但し、VO2maxはアフリカの選手でも日本の選手でも、トップクラスではあまり変わりがありません。

 

大きく異なるのが%VO2maxです。アフリカの選手と日本の選手で、エンジンの出力に差は無いのですが、その効率・経済性に差があるというわけです。

これはかなり先天的なもののようで、スリムな体と長い脚を持つアフリカの選手は筋繊維の赤色筋が多いなど、そもそも経済性が高いうえに、高所民族の特性で呼吸筋も強いそうです。このため、エンジンの出力を効率的に発揮できるわけです。

 

なかなかイーブンの条件では、胴長短足の日本の選手には勝ち目がなさそうです。

それでも、マラソンは条件次第です。高温多湿の東京オリンピックのマラソンでは、大迫傑選手が6位に入る大健闘でしたから、同じように条件の厳しいパリオリンピックでも日本人選手の活躍が期待できると思います。

(東京オリンピックの1位はケニアのキプチョゲ選手です。2位・3位・5位にオランダ・ベルギー・スペインとヨーロッパの選手が入っていますが、いずれもアフリカ出身の方でした。非アフリカ系では大迫選手がトップでした。)