バックカントリースキーで雪崩死亡が連続

スキー場のコース外を滑っていた人が雪崩に巻き込まれる死亡事故が続けて発生しました。

 

【NHK web】① 29日に長野県小谷村のスキー場のコース外にあたるバックカントリーで起きた雪崩で、外国人の男性2人が取り残された現場周辺から心肺停止の状態で見つかった男性2人の死亡が確認されました。

➁29日午後、長野県小谷村のスキー場のコース外にあたるバックカントリーで、スキーをしていた外国人の複数のグループの一部が雪崩に巻き込まれました。

 

表層雪崩と全層雪崩
表層雪崩と全層雪崩

雪崩には大きく分けて、表層雪崩と全層雪崩があります。

 

表層雪崩は積雪のうえに、新たに積もった雪が流れ落ちる現象です。大雪の降った後の1月~2月によく起こります。

全層雪崩は、地面のうえの雪がまとめて崩落する現象です。暖かくなってきた春先(GWくらいまで)によく起こります。

 

一般に全層雪崩は前兆があって、予め危険の認識がしやすいので、人的被害につながる例は少ないようです。ただし、例外もあって宇部市の登山家2人が白馬大雪渓で雪崩にあって死亡した事故(2013年4月27日)も起こっています。

 

一方で、表層雪崩は前兆が無く起こります。バックカントリースキーでの雪崩事故の場合は、巻き込まれたスキーヤー自身が雪崩の原因になっている場合が多いのも特徴です。

表層の雪の駆動力(重力で下に落ちようとする力)が、下の積雪との間にある支持力を上回ると雪崩になります。駆動力は傾斜が大きければ高くなりますが、人が上に乗ったりして荷重がかかっても高くなります。

冬山登山では、傾斜のある雪面に荷重をかけないというのが常識です。斜面を登るときは間隔を空ける、休憩するときもバラバラになる、狭い斜面なら一人づつ通る、などです。

  

バックカントリースキーは楽しそうですが、よく考えないといけません。