詳しい人に選んでもらう購買スタイルが拡大するだろう

これからはコンサルティング型の販売が本格的に復活するかもしれないなと思っています。

 

お店に何かを買いに行ったとき、店員さんが近寄ってくるのを嫌がる意識があると思います。特に私たちの年代はそうじゃないかなと感じます。勝手に品定めをして、勝手にカゴに入れるわけです。ネット販売などの普及も、個人が自分の判断でモノを選んでいるので、同じようなことです。

 

ソムリエ
ソムリエ

インバウドが盛んになったとき、海外からのお客さんは棚から商品を選ぶ判断に悩まれることがありました。お客様の希望を聞き取って、最適な商品(あるいは商品の組合せ)を提案できると利益が増えました。

 

高級なレストランでワインを注文する機会があるなら、料理に合ったワインはソムリエさんに選んでもらうと思います。

高級でないレストランでも、例えばアフガニスタン料理の店に入ったなら、店員さんに自分の希望を伝えて、お奨めのコースを選んでもらうだろうと思います。

要するに、自分に知識や経験が無いならば、また少しの冒険をしてみたいと思ったら、専門の方の意見を聞いて参考にしたり、その提案に乗っかかるわけです。

 

これからのポストコロナで、日本の消費が複雑化し高度化していくことが期待されます。消費者に知識が無いのが当たり前で、質問しても恥ずかしいことではないような、差別化された商品やサービスの消費です。そうなれば、コンサルティング型の販売方式が拡がるように思います。

実は、日本にはいわゆる「その道の専門家」がたくさんいます。その知識を活かしたい(悪い言葉で言えば、知識をひけらかしたい)人たちです。そんな皆さんの出番です。

 

ちょっと調べてみると、ワインソムリエは、2023年1月1日現在で累計39.149人(日本ソムリエ協会)が取得しています。日本酒は利き酒師が4万人以上いて、似た資格のディプロマが6900人もいます。焼酎は人数はよくわかりませんが、焼酎ソムリエと焼酎コンシェルジュという資格がありました。他にもカクテルソムリエとかウイスキー検定とかたくさんあります。

 

また、野菜ソムリエは、2018年6月のデータで55,641人(日本野菜ソムリエ協会)です。この他食品関係では日本安全食料料理協会の資格認定制度だけで、薬膳調整師、漢方コーディネーター、食育健康アドバイザー、幼児食マイスター、スーパーフードアドバイザー、発酵食品マイスター、酒粕・糀マイスター、スパイス香辛料ソムリエ、ハーブインストラクター、食用オイルソムリエ、お肉ソムリエ、ぬか漬けソムリエ、はちみつ美容ソムリエ、美塩ソムリエ、出汁マイスター、ヨーグルトマイスター、スープマイスター、味噌エキスパート、チーズソムリエ、山菜ソムリエ、きのこソムリエ、シーフードソムリエ、梅マイスター、漬け料理ソムリエ、お米ソムリエ、マクロビオティックマイスター、スムージーソムリエ、スポーツフードマイスター、オーガニック野菜アドバイザー、オーガニックフルーツソムリエ、和食ソムリエ、洋食ソムリエ、インド料理ソムリエ、中華料理ソムリエ、フレンチソムリエ、エスニック料理ソムリエ、イタリア料理ソムリエ、ベジスイーツマイスター、ドライフルーツセレクター、和菓子ソムリエ、製菓アドバイザー、手作りパンソムリエ、チョコレートマイスター、カップケーキソムリエがありました。

 

まぁ、このほか、飲料・食品に限らず、あらゆる商品やサービスに詳しい人がおられます。洋服を買うときは、優れたスタイリストさんにコーディネートしてもらうほうがよいでしょう。スポーツジムのマシントレーニングメニューも特性をよく知るインストラクターさんに組んでもらうと効果的です。これからは、そういった人たちが自身の知識や経験を活かして販売していく機会が増えるような気がします。