東芝の先導する革新(Leading Innovation)のジレンマ

「ローム、東芝再建へ最大3千億円の投資検討」だそうです。

 

東芝の経営ゴタゴタは2008年頃からはじまっています(外に知られたのがこの頃で、実際はもっと前から?)から、かれこれ15年近くになります。古今東西、こんなに長い間もめ続ける会社は少ないように思います。どこかで、スッキリして欲しいものですが、6割を失っても連結売上3.3兆円、時価総額2.1兆円の東芝ですから、おいそれとはいきませんかね。

 

イノベーションのジレンマというものがあります。イノベーションを「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」に分けます。

 

持続的イノベーションは、旧来型の大企業をイメージした、トップダウン・集権型官僚型・収益性重視・顧客志向の組織でおこなわれます。顧客満足の拡大を目的に常に改良改善をした製品やサービスを提供し続けます。

破壊的イノベーションは、新興ベンチャー企業をイメージして、ボトムアップ・分権型参加型・成長性重視・実験志向の組織でおこなわれます。新たな市場や顧客の開発を目指して製品やサービスの革新に取り組みます。

 

持続的イノベーションは効率的ではあるが慣性が強く働き、やがてくる環境変化にうまく対応できず、破壊的イノベーションに敗れ、競争優位を持続することができなくなるというのがイノベーションのジレンマです。 

このジレンマから脱出するには、組織の中(子会社とか)に破壊的イノベーションを追求する組織を別につくるというのが、多くの企業が模索した道でした。 

 

この考え方に反論したのが「両利きの経営(オライリー、タッシュマン)」です。持続的イノベーションと破壊的イノベーションは組織の中で共存できる。また、共存させることでシナジー効果を発揮させなければならない。実際に、2つのイノベーションを相反させることなく共存させて、競争優位を獲得している組織が存在しているという主張です。

 

大きな発見ですね。