11月1日は計量記念日~メートル法への統一を進めよう

毎年11月1日は計量記念日です。1993年11月1日に現在の計量法(旧計量法の全改正)が施行されたことに由来しています。それ以前は、旧法の施行日の6月7日でした。

 

旧法の計量記念日は1953年からですが、それまでは4月11日をメートル法記念日または度量衡記念日としていました。これは1921年(大正10年)にメートル法を基準にする改正度量衡法の公布日に由来していたのですが、実は1日間違っていて実際の法の施行日は翌4月12日でした。この改正度量衡法第1条に「メートルヲ以テ基本トス」とあります。

 

計量記念日
計量記念日

歴史を遡ると、日本で統一された計量制度が初めてできたのは、701年の大宝律令です。経済活動において、計量制度は貨幣制度と並んで重要なものです。

 

現代社会で適正かつ合理的な計量制度の根幹はメートル法であり、その後継であるSI単位系(国際単位系)です。 

 

メートルは1799年に子午線の長さを基準にして決められました。6年の歳月をかけて、北極点から赤道までの距離をはかり、その1万分の1を1メートルと決めたのです。

メートルは、どの民族の文化にも身体的特徴に影響されない公正な単位で、且つ接頭語による10進法で統一されています。

 

長く続いている鉄道ブームですが、ファンのなかには古い鉄道時刻表を収集する方もいます。昭和4年以前の鉄道はキロメートルではなくマイル表示でした。大正10年にメートル法の採用が公示されたのですが、すぐには改められないのでそれぞれに猶予期間が設けられており、鉄道の場合は10年だったのです。

 

世界にメートル法が定着していった背景には戦争があります。メートル法はフランス生まれの計量法ですが、普仏戦争を戦っていたドイツ軍はその有用性を認識していち早く採用しました。昭和のはじめの日本でメートル法が急速に普及したのは、メートル法の合理性だけではなく、敵国であるアメリカやイギリスの単位を使いたくないということもあったようです。

 

日本が「メートルヲ以テ基本トス」としてから100年が経ちました。今でも、メートル(SI単位系)に依らないものは多数あります。少しづつでも、計量単位の統一が進んでいくことを期待しています。