誰もがそうだと思っているのだけど、実際には違うということも時々あります。
寄席では、落語家さんが「本日はようこそいらっしゃいました。毎度ばかばかしいことおはなしで、お時間を頂戴いたします」と前置きをいってから噺(マクラかな)をはじめて、オチを付けた後に「おあとがよろしいようで」といって終わる。ということは、実はあまりありません。
![六代目円楽](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=342x1024:format=jpg/path/sa3592213af7de219/image/i0e13668d5ee22549/version/1664927334/%E5%85%AD%E4%BB%A3%E7%9B%AE%E5%86%86%E6%A5%BD.jpg)
現実には、落語で冒頭の挨拶はほぼ無いか、あっても「ようこそのおはこびで」とか一言あるだけです。いきなり、マクラに入ることが多いような気がします。
マクラでは適当な時事や流行り話、小噺をつなぐのではなく、お客をネタの世界にスムーズに誘導するようなことを織り込むのが名人上手だそうです。なかには、マクラのほうがネタより長くなるような噺家さんもおられます。
先代(五代目)の円楽さんの独演会を見に行ったことがあります。随分と前のことですが、人情噺はさすがに名人です。満席の会場がしゅんとして、落語なのに泣いている人もおりました。残念ながら、六代目円楽さんの高座は見る機会がないままでした。
まぁ、何事も突然に始まって、唐突に終わるのだろうと思います。オワリ。