ロシア軍を守る最強の武器が国連憲章という不思議

ロシアのウクライナ侵攻によって、国連が機能していないことは誰の目にも明らかです。

 

国連の平和に関する決定は。安全保障理事会でおこなわれます。よく知られるように、米ロ中英仏の5か国が常任理事国で、2年の任期で5か国づつ選ばれる10か国の非常任理事国があります。10か国は、ヨーロッパ(オセアニアを含む場合がある)とアフリカが各3か国、中南米とアジアが各2か国です。

 

安全保障理事会
安全保障理事会

安全保障理事会の15か国は1国1票の権利を満ちます。しかし、安全保障理事会の多数決議は2/3多数であり、すべての常任理事国5か国を含む10か国の賛成で決議されるとなっています。

つまり、常任理事国が1国でも反対すれば決議は否決されます。これが、拒否権です。

 

ロシアのウクライナ侵攻は、国際的な平和秩序を犯していることが明らかです。しかし、常任理事国のロシアが拒否権を持っている以上、何の決議もできません。国連は完全に無力です。

 

日本及び日本周辺への侵攻の意図を隠さなくなっているロシアと中国が、安全保障理事会の常任理事国として拒否権を持っている状況です。日本としては、差し迫った脅威を緩和するためにも、国連の枠組みを変えることが必要です。与党も野党も一丸となって、この問題に取り組んで欲しいと思います。

 

世界の国に平等に権利があるとするなら、安全保障理事会の決定は常任・非常任を問わず2/3の賛成で決議されるのが当然です。常任理事国は、その名の通りに常任であることで恩恵を受けているので、素直にこの方式にして欲しいです。

日本は、世界で最も多く安保理の理事国になっていますが、アジアから2か国しか選ばれないままだと、発展途上国が国力を高揚や中東諸国の発言力強化によって、日本が選ばれる確率は今後は低くなってきます。

 

また、日本がかねて主張している、G4(日本・ドイツ・インド・ブラジル)を常任理事国として安全保障理事会を25か国に増やすという案は、拒否権を持つ国が9か国に増えるだけで、少し理解できません。素直に、理事会の構成国数を増やし、現在はできない再選を可能にするほうがよくないでしょうか?

 

いずれにしても、安全保障を身近に感じるためにも、国民的な議論になるといいなぁと思います。