車検はクルマの買換えを促す

インドやマレーシアなどアジアの国ではクルマの車検制度が無いそうです。

 

その他の国では、アメリカの場合は、州によって異なりますが、毎年あるいは隔年で車検を受けるようです。但し、検査項目が少なくて、30分ほど、費用も1万円くらいで終わるそうです。イギリスでは毎年、ドイツは隔年、イタリアは3年毎で検査を受ける義務がありますが、やはり簡単な検査だけでかかる費用は数千円です。☞ CAR LIFE 2020.7.20 海外の車検事情について

 

車検
車検

日本は新車は3年目、以降は隔年で車検を受けるという制度です。検査を受ける間隔は、海外と大きな差はありません。

 

一方で、費用はかなり違います。日本の車検費用は12~16万円くらいが相場のようです。法定費用(自賠責保険・車両重量税・車検代行料・印紙代など)が8万円近く含まれますが、車検整備費用も日本は高額です。

 

さらに、消耗品や部品の交換を推奨されて、追加費用がかかるのもいつものことです。任意保険の更新も同時におこなうことがあるので、そうすると実感として20万円かかるように思います。

 

車検費用が高額なために、日本でのクルマの買換えは車検満了日前6か月に集中するのだそうです。車検で費用を掛ける前に買い替えようという心理、車検で費用を掛けたばかりなので乗り続けるようにしようという心理の両方が働くようです。

 

今のクルマは性能が高まっていることから、なるべく買い替えをしないで、10年以上13年くらい乗ってもらうのが、コスト面はもちろん環境(資源)の観点でもよさそうです。ただし、13年を超えると、走行中の環境影響が小さい(燃費の良い)新車に乗り替えるほうが、有利になると思われるます。13年を超えると車検は毎年受ける必要があります。

 

そこで、少し長くクルマに乗ってもらうために、車検間隔を3年に延ばすとよいように思います。つまり、3年目・6年目・9年目・12年目・13年目から毎年です。こうすることで、クルマの買換えするタイミングが2回減ることになります。名案です。

実際にシミュレーションすると、クルマの寿命が7か月延びるという結果になったそうです。

 

ところが、車検間隔を延ばすと、同時にクルマを複数台持つ家庭が増えるのだそうです。つまり、1家に1台だったクルマを2台にするという動機づけになるというのです。これは、コスト面でも環境面でも、賛成とはなりませんね。なるほど、なかなか難しいものです。