これを食べたらコロナも怖くない!はアウトです

コロナ禍の影響で食品関係のオンラインビジネスが活況ですが、ちょっとご用心!

 

景品表示法というピンとこない名前の法律があります。ウソをついたり、大げさな表現で買い手をだますような広告をすることを禁じています。また、食品の場合は健康増進法で、あたかも健康増進の効果があるとか病気の予防効果があるように誤解させるような表示も禁止されています。

 

消費者庁から健康増進法の誇大広告指摘件数
消費者庁から健康増進法の誇大広告指摘件数

右のグラフは、インターネット上の健康増進法に関わる誇大広告を、消費者庁が発見して改善指導した件数です。2021年度の第3四半期では230件、つまり月に80件近い指導がおこなわれています。

コロナ禍前の2019年と比較して3倍近くも増えています。

 

もっとも、悪質な事業者が3倍に増えたとストレートに言えるわけではなく、取り締まる側の消費者庁の腕が上がったというところもあります。

インターネットの世界は広大なので、担当者が全部の広告をチェックできません。そこで、ロボット検索で発見します。悪質な業者はロボット検索にひっかからないように広告の出し方を工夫し、消費者庁側は隠れた問題を見つけ出そうと改善をします。

 

まぁ、3倍になっているかどうかはともかく、怪しげな広告が増えているのも事実です。広告を出す事業者の方としても、気をつけることが大事です。

地方の純朴な事業者さんでも、地域の古老が「こりゃ身体にええんじゃ!」「わしはこれのお陰でピンピンしちょる」なんて話を聞いて、『奇跡の○○!! これさえ食べれば、免疫力UP。新型コロナにも絶対かからない!!」なんて広告をインターネット上に掲載したらアウトです。

下にアウトな表示例を示していますので、十分注意してください。

 

健康増進法 (誇大表示の禁止)

第六十五条 何人も、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項(次条第三項において「健康保持増進効果等」という。)について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。


それでは、コロナワクチンの「これを打ったら感染しない。重症化を防ぐ。打っても安全。」という、感染症専門家(実は製薬会社からお金をもらっている)によるマスコミでの広告宣伝はどうでしょうか? 景品表示法に違反している可能性はありますが、健康増進法には違反していません。しかし、”薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)”には、明確に違反しています。最大で3年以下の懲役・3百万円以下の罰金です。