ウクライナを力で守るのは中国なのか?

ウクライナの貿易相手国№1はロシアではなく中国です。

 

外務省のwebサイトから、ウクライナの主要貿易相手国(2020年)

(1)輸出:中国(14%)、ポーランド(7%)、ロシア(6%)

(2)輸入:中国(15%)、ドイツ(10%)、ロシア(8%)

輸出も輸入も中国が1等なんですね。

 

空母 遼寧
空母 遼寧

さらに、JETROの資料では、2021年には中国の対ウクライナ輸出額は前年比37%増の94億ドル、輸入額は25%増の98億ドルとなり、輸出・輸入ともに過去最高となった。(ちなみに、日本とは5億ドル規模)

2017年から2021年にかけての5年間では、輸出は1.9倍、輸入は4.2倍と大きく増加している。ということです。

 

ところで、一時期には、中国がウクライナから旧ソ連製の兵器を多数購入したことは周知です。空母「遼寧」もウクライナから購入しています。(但し、旧ソ連時代に建造したものの未完成だった艦を譲受けて中国で完成。)

今は、ウクライナから中国へは鉄鉱石、トウモロコシ、植物油などが主な輸出品です。

 

逆に中国からウクライナへの輸出は、玩具、携帯電話、パソコン、太陽光パネル・セルなど工業製品が上位です。新型コロナワクチンも輸出されています。

また、中国はウクライナのインフラ建設にも投資をしているそうです。黒海に中国資本で港湾を建設するというプロジェクトは進展しなかったようですが、2基の大型風力発電所が中国の投資で完成の運びです。

一帯一路構想の一環として、既に中国・武漢~ウクライナ首都・キエフ、中国・西安~キエフの2路線で直通貨物列車が運航されています。

 

また、中国とウクライナの間には、「友好協力条約」というのがあって、非核化したウクライナが核の脅威にさらされたときには中国が守ると書いてあるそうです。

「中露善隣友好条約」とは相反する条約を、ロシアの兄弟国である隣国ウクライナと結ぶという習近平の太っ腹。それを苦々しく思いながら、手が出せなかったプーチン。という構図だったのでしょうか。

 

それにしても、今のウクライナにとって中国はロシア以上に重要です。そして、中国にとってもウクライナは重要な戦略パートナーです。

プーチンがロシアには核があると脅している現状で、「友好協力条約」はどう機能するのでしょうか? プーチンが怒り狂って核のボタンに手を掛け、習近平がプーチンが潜んでいる宮殿に背後から・・・なんてことが?恐ろしい。

中国が「善隣条約」を破ることは無い? でもソ連は「不可侵条約」を破って、日本を攻めたわけですし・・・なんてことも?恐ろしすぎます。

 

参考 ☞ JIJI.COM  旧ソ連圏の主導権めぐり中ロに不協和音 ウクライナ攻撃抑止「影の主役」は習主席?【解説委員室から】2022年01月25日