鞄を買いました。やわらかい鞄です。3WAYで縦にも横にも持てて、リュックにもなります。
30年くらい前に買った鞄のことを思い出しました。かたい鞄です。重い鞄です。肩ひももありませんから、持って歩くのも大変です。満員電車になんか乗ると危険で、迷惑です。
小さい頃に使っていたお気に入りの鞄のことも思い出しました。やわらかい鞄です。ビニールかなにかで出来ていました。どこにぶつけても痛くありません。

人は、やわらかくうまれてきます。たぶん、そうでしょう。
やわらかい人は、かたいものにあこがれます。かたいものは、きちんとしていて、ちょっとおすましで、おとなにみえます。
かたいものは、ちょっとふべんです。おもいし、ここちよくありません。でも、がまんしてつかいます。
だって、ちいさい子たちから、あこがれの目でみられるのですから。ゆめをこわしてはいけません。
人は、かたいときを過ぎると、やわらかくなっていきます。やわらかいものをつかうと、とてもべんりです。かるいし、つかいやすいし、なによりあんぜん・あんしんです。
もう、としをとってしまって、わかい人からあこがれられることはありません。むりをすることもないわけです。
みんなが、かたいときがなくて、ずっとやわらかくなっていくのは、ちょっと心配です。ゆるくうまれて、きついこともあって、またゆるいこともあるほうがいいです。