SDGsでは、サプライチェーンもバリューチェーンも同じ意味みたい

サプライチェーンとバリューチェーンの違いと聞かれて、ウッと詰まりました。

 

改めて調べてみましょう。先ずは、ISO26000の定義です。サプライチェーンは「組織に対して製品又はサービスを提供する一連の活動又は関係者」とあります。バリューチェーンは「製品又はサービスの型式で価値を提供する一連の活動又は関係者の全体」。う~ん、何だか、ちょっと違いますね。

 

この定義であれば、サプライチェーンは提供する=つまり上流側の製品やサービスに限定されます。バリューチェーンのほうは、関係者の全体というのがチェーン(連鎖)とそぐわない感じがします。

 

結局のところ、サプライチェーンとバリューチェーンのイメージは、下の図のようなものがしっくりしそうです。サプライチェーンは複数の企業をつなぐモノやサービスの流れ。バリューチェーンは一つの企業の付加価値創造の流れ、というイメージです。

サプライチェーンとバリューチェーン
サプライチェーンとバリューチェーン

ところが、SDGsの領域では、サプライチェーンとバリューチェーンをほぼ同じものととらえています。つまり、付加価値の創造(裏返すと環境負荷の放出でもある)は、自社だけの課題ではなく、関係者の全体が関与するという考え方です。企業が自社の目標として掲げる場合には、用語の定義を明確にする必要がありそうです。

 

【パナソニックの宣言】:2050年までにサプライチェーン全体で「カーボンネガティブ」を達成させる。

【日立製作所の宣言】:バリューチェーン全体でのCO2排出量を2010年度対比で2050年に80%削減する。