「統計でウソをつく方法」は32万部で9位

20世紀にブルーバックスで発行された書籍のなかで最も売れた本は、「子どもにウケる科学手品77」後藤道夫著で、76万部だそうです。

 

ダレル・ハフ著、高木秀玄訳の「統計でウソをつく法」は発行部数32万部のベストセラーで、ブルーバックスでは第9位です。原作は1954年(昭和29年)に出版されており、14年後の1968年(昭和43年)になって日本語翻訳版が出版されています。現在まで100刷を超え(他に100刷を超えは「相対性理論の世界」だけ)ているロングセラーです。

 

統計でウソをつく法
統計でウソをつく法

恐らくですが、私たちの年代の理系少年であれば、この本を一度も見なかったという人のほうが少ないかも知れません。買いはしなくても、図書館で借りたり、友達に見せてもらったりしたことはあるはずです。

 

イギリスの元首相ベンジャミン・ディズレーリの金言に「ウソには3種類ある──ウソ、みえすいたウソ、そして統計だ」というのがあります。

この本の副題の「だまされないために,だます方法を知ることのすすめ」が全てをいいあらわします。

 

統計でウソをつくことは、いかにも容易です。豊かな人生を送るためには騙しのテクニックを知っていることは大事です。特に、現在のコロナ騒動のように、幼稚ながらもいろいろな統計のウソを駆使される状況ではなおさらです。

是非、再読してみることを推奨します。

 

この本は10章あるのですが、それぞれの章を読むと新コロのデマがどうやって作られているのか、その構造が分かります。

第1章「かたよりはサンプルにつき物」を読めば、新コロにようにランダムサンプリングをしない標本からの統計を使うウソが紹介されています。

第2章「平均でだます方法」を読めば、新コロでいわれる平均感染期間のウソに気づきます。

第3章「小さい数字はないも同然」を読めば、新コロの闇がすっかり晴れるでしょう。

第4章「大山鳴動ネズミ一匹」を読んで、自分に都合のよい偶然をピックアップする愚かさを知りましょう。

以下は、省略します。

 

【例題です】 

2021年8月11日 厚生労働省 第47回新コロ対策アドバイザリーボード 資料2-5

NHKが要約しています。

2021年8月12日 「2回接種済の高齢者致死率 未接種の約5分の1 厚労省」

≪抜粋≫

65歳以上では感染した6931人中、亡くなったのは282人で、致死率は4.1%でしたが、65歳未満では感染した4万5812人中、亡くなったのは35人で、致死率は0.08%でした。

65歳以上で亡くなった人は、ワクチン接種を受けていない人では、感染した5387人中、232人で致死率は4.31%だったのに対し、1回接種を受けた人では857人中26人で3.03%、2回の接種を終えた人では112人中1人で0.89%と、致死率は接種を受けていない人のおよそ5分の1でした。

脇田隆字座長は「ワクチン接種によって重症化を予防し、死亡を抑える効果が見てとれる。データがまだ少ないので症例を積み重ねて、効果をさらに判断する必要がある」と話した。

 

どの使い方でウソをついているか、わかりますか? 一種類じゃありません。