勝つためには少々行いの悪いものでも使う

プロ野球ファイターズの有力選手が暴力事件を起こして出場停止処分となっています。

 

強面の有力選手に対して、年齢はずっと上ながら優男のインテリ監督が甘やかし過ぎたと批判されています。ちょっと思い出したのが、藤田元司(ジャイアンツの監督を通算7年。4度のリーグ制覇と2度の日本一)の「勝つためには少々行いの悪いものでも使う」という言葉です。

 

火消し
火消し

藤田元司という監督は間違いなく名監督でした。野村克也が、著書で「投手出身の監督は『精神野球』で、本質からかけ離れている」と批判していながら「藤田さんを除いては」と注記しているのは有名です。

 

藤田元司は、長嶋監督解任を後を受けてジャイアンツの監督となります。助監督に王貞治を据えて3年間鍛えて、王に監督を譲ります。その王貞治が解任された後に、二度目の監督を引き受けても、4期務めた後に長嶋茂雄に監督を譲ります。

「球界の紳士」と呼ばれた、スマートで温厚な人物でした。2006年に74歳で亡くなっています。

 

そんな、藤田元司ですがインタビューで球団の目的は「勝つこと」であり、それ以外には無い。「勝つためには少々行いの悪いものでも使う」と語っています。

少々行いの悪いものが誰かは気になるところ(西武から移籍で獲得した捕手~その後指導者になっても西武や楽天でいろいろやらかした~なんかが頭に浮かびますが・・)ですが、藤田の口から出ると妙に納得します。

 

藤田の監督としての姿勢は、非常に明確で、経営者にとっても役に立ちます。

選手をどう選ぶのか問われて、「技術面を先ず考える。精神面の要素は小さい。優柔不断は最も悪い。自分がこれでよしと思ったら決める。」「練習態度がよい選手は試合で力を発揮しやすいので考慮するが、素質は追い越せない。馬車馬は競走馬には勝てない。」「70点平均の選手は使い物にならない。0点もあれば120点もある選手がよい。スカウトは120点を持っている選手をとる。0点のところは後から鍛えるし、鍛えても0点ならば周りにカバーさせる。」と、答えています。

 

負けが込んできたときの心構えは、「監督は必ず良くなるという信念を持つ。焦っていろんなことをやらないほうがいい。基本に立ち返ることが大事で、余分なものを捨てていく。最後にはやり遂げられると、じっくり構える。」。

 

頑張れ!ファイターズ。