東京五輪開会式205の国と地域、「小国寡民」を考える

東京オリンピック・パラリンピックの開会式が無観客の新国立競技場で挙行されました。

 

テレビでほんの少し見ていましたが、3時間50分もかかった長い開会式でした。本来の予定時間は3時間。コロナ対策で距離を置くので+30分で3時間30分が予定だったそうです。さらに20分延びたのは、IOCのバッハ会長のスピーチが長過ぎた(幸い、私は聴いていない)のが10分、入場行進の時間がさらに10分くらいかかったということのようです。

 

IOC バッハ会長
IOC バッハ会長

開会式でのパフォーマンスについて、その演出に不満を言う人たちは、これからたくさん出てくるでしょう。

しかし、出演していた老若男女、多くの人たちの努力と熱意は素晴らしかったです。オリンピックに限りませんが、祭典をおこなう意義はここにあります。

 

長いスピーチを聞かされると必ずうんざりさせられます。橋本聖子会長が6分半、IOCバッハ会長が13分のスピーチをしたそうです。実は、私がバッハ会長のスピーチを聞いていないのは、橋本会長のスピーチの後半で疲れて、他の仕事をはじめたからです。

 

閉じられた関係者の会合であれば、長時間のスピーチはありますし、それは構いません。しかし、不特定多数の聴衆に向けたスピーチは「ベスト4分、最長でも5分」というのが国際的な基準です。6分半でも長すぎますが、13分もしゃべっていれば誰も聞いてはいません。

 

さて、本題ですが、入場行進も長かったですね。ちょこっとしか見ていないですが、いつまで経っても終わりません。オリンピック史上最多の205の国と地域が参加しているということです。入場行進では、中国や米国などの超大国でも、人口10万人に届かない小国でも、1国は1国ですから、均等にソーシャルディスタンス?をとっています。

 

それにしても国の数というはどんどん増えていくんだなぁと改めて感じました。日本の市制施行基準に満たないような人口、国土面積、経済規模、それに軍事力の国も、世界にはたくさんあります。大丈夫なのか?何かのときに破綻してしまわないか?と不安に思いますが、どっこい小国は亡くなりませんし、幸せなのだろうと思います。

 

帝国主義の時代は遠くなり、現在の国際社会では一度主権を認められた国家が、他国から侵される懸念はありません。(逆に言えば、未だ確実な主権を確立していない地域は危険が続いています。)

例えば、同じように超大国中国に接していても、人口70万人のブータン王国が存続することに疑いはありません。しかし、人口2400万人で世界20位の経済力を持つ台湾や人口750万人の国際金融都市香港は、リスクに直面しています。

 

老子は理想の国家を「小国寡民」といっています。老子第80章です。

老子は、「小国寡民」の社会を理想としました。

現在の日本で言い換えれば、「多くの中小企業が自主自立して存在する」ような社会です。

老子の生きた2500年前の中国では、絶対的な君主が民衆に過酷な義務を課して、戦いに明け暮れていました。老子はそれを嫌っていましたから、正反対の世界を理想に描いていました。

 

☞ 2015/11/15 小さい会社が理想・・社長のための老子(72)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第八十章です。 

 

実際、そうなんだろうなぁと思いますし、これからも小国として独立していく国が増えていくと感じています。そして、それは好ましいことだと思っています。

但し、何か対策しないと、五輪の開会式の時間がどんどん長くなりそうです。