ノロウイルス・サルモネラ菌・カンピロバクター(2回目=最終回)

HACCPによる管理が義務化されています。小規模事業者さんの食品衛生計画に関する支援も増えています。

 

食中毒の原因は、ウイルス(おもにノロウイルス)、細菌、寄生虫、自然毒、化学物質に分けられます。細菌では病原大腸菌での大規模な発生もりますが、小規模事業者さんでは、最も被害が大きいのがサルモネラ菌で数が最も多いのがカンピロバクターです。

 

HACCP義務化(2021.6.1~)
HACCP義務化(2021.6.1~)

HACCPという仕組み、義務化で求められることなどは厚労省のHACCP関連サイトをご覧ください。

 

サルモネラ菌は、鶏、牛、豚などの他、猫や犬などのペットを含めて幅広い動物が体内に持っている細菌です。

サルモネラ菌による食中毒では潜伏期間が8時間から最長4日です。発症すると、下痢が比較的長い期間(1日から長いときは1週間以上)続きます。

 

サルモネラ菌はしっかり加熱すると死んでしまうので、食中毒の原因になるのは非加熱あるいは加熱が不十分な食品が考えられます。鶏刺しや肉刺しなどが危ないです。

実際の食中毒の発生原因は、例えば鶏卵の殻に付着していたサルモネラ菌が調理人の手指を介して加熱済の料理や食器に付着したような、2次汚染が多いようです。家庭で一般に使う鶏卵は、洗浄殺菌されて流通しているのでサルモネラ菌が殻に付着していることは少ないのですが、専門店で使うこだわりの鶏卵では十分な殺菌がされていないものもあるようです。

 

一方、カンピロバスターは、牛、豚、羊、鶏など動物の消化管に生息します。犬や猫などペットにもあって、糞便のなかにも混じります。

カンピロバクターの食中毒は潜伏期間が2日から7日間(通常は2~3日)とさらに長いことが特徴です。発症すると、下痢や発熱、倦怠感が現れますが、風邪の症状に似ています。お腹にきた風邪と誤認されているケースがかなり多いと思われます。

 

カンピロバクターも加熱すれば死んでしまいます。しっかり加熱した料理を提供することが食中毒を防ぐ方法ですが、この細菌は広く生息していますから、二次汚染の可能性が高いことに注意です。加熱はしっかりしていても、生肉などに触った手で料理に触れば台無しです。

 

細菌は(ウイルスも)目に見えないほど小さいので、どこに付着していても気がつきません。二次汚染で食中毒につながらないように、HACCPによる管理をしっかりしましょう。

 

尚、コロナ禍で飲食店での食中毒事例は減っています。一方で、家庭での食中毒は増えているようです。特にサルモネラ菌が原因の食中毒がよく見られるようなので、古くなった鶏卵や肉類をもったいないからと使うわないで、危なかったら捨ててください。

食品ロスもいけませんが、健康第一です。