あまり確かなことではないのですが、今年は麦の生育が早いような気がします。
ジョギングしていた時の印象です。例年ですと、6月上旬に収穫すると思うのですが、もう随分と穂が育っていて、1~2週間では収穫時期がくるような気がします。九州南部が早くも梅雨入りしたというニュースもあって、今年は季節の周りが早いのかもしれません。ところで、カラスとツバメと麦のお話です。
麦(ムギ)といってもいろいろあります。麦はイネ科の植物のうち穀物として利用されるものの総称です。
一般的なのは大麦と小麦です。麦の粒に大小があるわけではなく、成長段階で葉の幅が広くて短いのが大麦、葉が細くて長いのが小麦です。
大麦は、ビール、味噌、麦茶に麦ごはんなどで使われます。小麦は、製粉してパンやラーメン、うどんなどの麺類になります。
小麦は「粉むぎ」から転じたとも言われています。山口県南部にあたるこのあたりで栽培されているのは、主に小麦です。
話変わって、最近、オートミールを時々食べます。主な意図は、健康に良さそうなことと、体重管理です。このオートミールはオーツ麦の加工品です。オーツ麦は日本名では燕麦(えんばく)といいます。ツバメの麦ですがカラスムギ属に属します。ツバメがカラスの仲間?
燕麦の名前の由来は写真のように穂のかたちがツバメに似ているからです。燕麦が属するカラスムギの名前のほうはカラスに似ているところはなく、粒が小さくて食用にならないことから役に立たたないという意味でカラスと名づけられたそうです。
オーツ麦(燕麦)も昔は飼料に使われるくらいで、あまり重宝されておらず雑草扱いだったそうです。それでも、オーツ麦が栄養価が高く、健康によいことはよく知られていて、ヨーロッパの特に北方に住む人たちは古来より食べてはいました。
本格的にオーツ麦が食べられるようになったのは、19世紀にドイツ人のシューマッハという若者の功績です。当時のドイツの家庭ではオーツ麦を食べることがありました。
アメリカに渡って工場で働いていたシューマッハ青年が、アメリカでもオーツ麦を脱穀してフレーク状に加工すれば売れるのではないかと考えました。
そして、オートミールとして販売してみると、大いに好評を得ました。そこで、シューマッハは1850年に「ジャーマン ミルズ アメリカン シリアルカンパニー」を設立して、最新の蒸気機関を導入してオートミールの生産量をどんどん増やしていきました。
この会社が、現在のクエーカー オーツ カンパニーにつながります。(クエーカーはプロテスタントの一派です)☞ https://www.quakeroats.com/
オートミールは健康のために理想的な食品と言えます。しかし、それでもあまりに大量に食べたり、クリームなんかをたっぷりかけて食べれば台無しですが・・・。