IPCC第5次評価のおさらい~RCPとは?

2050年カーボンニュートラルを先進国の多くが宣言しています。日本の場合は、足の引っ張り合いをせずに、真面目に取り組めば、達成する可能性は高いです。

 

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次報告書は、今年(2021年)3部に分けて公表され、来年(2022年)4月に統合報告書が公開される予定になっています。そこで、2014年に最終承認されたIPCC第5次報告書でRCP(代表的濃度経路)をおさらいしてみましょう。

 

IPCC第5次報告書 RCPシナリオ
IPCC第5次報告書 RCPシナリオ

IPCCでは、今後の地球温暖化の進行について4つのシナリオが提示されています。

RCP2.5(2.6)、RCP4.5、RCP6.0、RCP8.5の4つです。

RCPは代表的濃度経路という意味で、後の数字は「放射強制力」の値です。

 

放射強制力は気候学における用語で、地球に出入りするエネルギーが地球の気候に対して持つ放射の大きさのことです。この値が大きいほど、地球に熱がこもって、温暖化することになります。

大気中の二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素などは、放射強制力の値に正の効果を与えます。

 

RCP8.5は、現在のままに温室効果ガスの排出量を削減しなかった場合のシナリオです。人口成長率は上昇を続け、貧困が拡大し、生態系が破壊されます、2100年の世界の平均気温が最高で約5℃上昇するという最悪のシナリオです。ただ、このシナリオは壊滅的なだけに、4つのシナリオのなかでは最も早い時期に(悪い意味で)安定します。

 

RCP6.0は、世界の国のカーボンニュートラルへの取組みが遅れて、技術開発の速度が速まらなかった場合のシナリオです。温暖化抑制の効果はでてくるものの、2100年の地球の平均気温が約3℃上昇します。降水量と気温の変化によって、深刻な食糧不足になります。

 

RCP4.5は、地球温暖化対策と大気汚染防止策が世界的に効果をみせた場合のシナリオです。森林が保護され再生に向かいます。それでも、2100年に地球の温度は2℃以上上がり、サンゴ礁の2/3は失われる可能性があります。

 

PCP2.5は、ただちに世界がカーボンニュートラルを目指した政策に着手するシナリオです。目標である、地球の平均気温の上昇を2℃以内に抑えることができます。

 

IPCC第5次報告書が提出された2014年から2019年までの5年間は、世界はRCP8.5のシナリオに沿っていました。2020年は、世界的なコロナ感染症の拡大によってこのシナリオから乖離してきました。ここは、大きなチャンスです。

多くの国が、カーボンニュートラルに政策転換を宣言したこともあり、2021年以降がRCP2.5シナリオに乗り換えられることを期待しています。

 

先ずは、省エネ!です。