広島に続いて福岡も桜が開花・・山口は?

昨日(3月11日)に全国で最初に広島で桜の開花宣言がありました。そして、今日は福岡でも桜が開花です。広島は平年より16日、福岡は11日早い開花です。

 

広島と福岡に挟まれている山口としては、ちょっと負けた気分です。一刻も早く開花してもらいたいとか、意味もなく思います。ただ、家の近くの桜はまだ開花には少し時間がかかりそうな印象です。山口県に設置されているのは下関地方気象台ですが、今のところ来週末の3月19日頃(これでも過去2番目に早い)が今年の開花日になりそうだということです。

 

下関地方気象台の桜開花日の推移
下関地方気象台の桜開花日の推移

右に下関地方気象台の桜の開花日の経年推移をグラフにしてみました。

桜の開花日は、毎年かなりバラツキがありますが、徐々に早まっていることがわかります。

 

1960年の前後の10年間・1970年の前後10年間の平均開花日はいずれも3月31日でした。それが、2000年の前後10年間では3月26日となり、2010年の前後10年間の平均は3月24日です。50年余りの間に、およそ1週間分季節がずれたわけです。

 

桜は開花から5日ほどで満開になりますから、私が子供の頃ですと、満開の桜の下で入学式を迎えていたわけです。それが1週間ずれたので、入学式の頃には桜も散っています。ちょっと残念な気もします。

 

この季節がずれるという現象は日本だけのことではありません。北半球の中緯度地域では、植物の芽吹きと開花の時期は、おしなべて10年間で1日の割合で早くなっています。

10年間で1日というと、変化のスピードが遅いように感じますが、千年の長さで観察した場合でも、このような急激な変化はありませんでした。人類が大量のエネルギー消費によって地球環境に直接働きかけるより以前は、地球はかなり安定していたのです。

 

全球海水温の推移
全球海水温の推移

地球の温暖化によって、季節がずれていきます。そのわかりやすい例が、海水温の変化です。気温に比べて、海水温は変化し難いのですが、全球海水温でみると10年間で0.06度のペースで上昇しています。

 

北半球の中緯度にあたる日本近海では、海水温度上昇はさらに大きくなり、10年間で0.12~0.13度のペースになっています。

 

とても大きな問題ですから、桜が咲いたと浮かれてばかりでもいけません。

【追記】下関の桜の開花は3月16日。観測史上最も早くなりました。