高病原性鳥インフルエンザの猛威はまだまだ心配

コロナ騒動と違って、こちらは日本国内で既に711万の命が失われました。

 

日本国内で飼育される食用鶏(ブロイラー)の飼育期間は数か月です。出荷数が月に6千万羽くらいなので、飼育されている数は1億5000万羽くらいです。採卵鶏のほうも、およそ1億5000万羽くらいが飼育されているので、合計で3億羽くらいが国内の鶏の数です。

 

鳥インフルエンザ(2020/2021)
鳥インフルエンザ(2020/2021)

2020年シーズン、鳥インフルエンザの感染拡大によって殺処分された鶏の数が711万羽にもなりました。乱暴な計算ですが、2%以上の鶏が殺処分されたわけです。

過去、最大だった2005年シーズンを越えて、史上最悪の事態になっています。

 

高病原性鳥インフルエンザH5型ウイルスによる鳥インフルエンザの発生は、日本だけでなく、欧州・北米・アフリカ・オセアニア・アジア、世界中で拡大しています。

 

お隣の韓国でも流行が止まらず、殺処分された家禽(韓国の場合は鶏以外の鳥も多い)は既に800万羽を越えています。実は、このことは重要で、鳥インフルエンザが日本で流行する際は、その前に韓国で流行します。韓国で蔓延がみられたら、いち早く防疫レベルを上げるということが感染拡大の防止には重要なようです。

 

日本は、感染が拡大している欧米など各国からの鳥肉や卵の輸入を停止しています。但し、日本への輸入先では、ブラジルが8割くらいを占める(2位はタイ)ので、影響は軽微です。

 

鳥インフルエンザの発生状況(2020シーズン)
鳥インフルエンザの発生状況(2020シーズン)

日本で猛威を振るっている高病原性鳥インフルエンザは、ヨーロッパ由来(欧州種)です。昨年の夏に繁殖のためにシベリアに渡ったマガモなどの渡り鳥が、秋の終わりに越冬するために日本に飛来したきたことで、感染が拡大していきました。

 

この高病原性鳥インフルエンザの感染が入ってくるのを何とか止めよう、日本を含む世界各国は各種の対策を実施しています。

しかし、何しろ相手が鳥ですから、なかなか妙案がないままです。海外からマガモなどの鳥が運び込んだウイルスは、日本国内でスズメやヒヨドリなど国内にいる小鳥が拡散させます。ネズミやイタチなどの小動物も、ウイルスの運び屋になります。養鶏場などでは、小鳥や小動物の侵入を防ぐように網を掛けたりしますが、完全に防ぐことは困難です。

 

まだ、今シーズンの世界の状況がまとまっていませんが、コロナよりはるかに感染力や病原性の強い鳥インフルエンザですから、注意しなければなりません。