大雪・寒波で電力不足の心配が再び

当地でも先週はたいへんな積雪になりました。と言っても、10㎝くらいのものですが・・。

 

大雪・寒波になると暖房による電力需要が増えていきます。一方で、電力供給は積雪があると太陽光発電が発電しなくなるために減っていきます。ソーラーパネルは太陽電池というように、乾電池がつながったような構成なので、パネルの一部に雪が積もれば全体が発電しなくなります。

 

中国電力の電力供給量(2019年度と2020年度)
中国電力の電力供給量(2019年度と2020年度)

グラフは、中国電力の年末年始の電力供給量を今年と昨年で比較してみたものです。

大雪になった1月8日で比較すると、昨年より35%近く電力供給量が増えています。

ちなみに、1月8日は今年は金曜日で、昨年は水曜日。

 

その後、1月11日まで大雪・寒波が続いたのですが、この期間はちょうど3連休に当たっていました。工場などの稼働が下がったことで、危機的状況はかろうじて回避されたというのが実態かも知れません。

 

今回の大雪・寒波は、35年ぶりの異常気象であったということです。下関気象台の積雪は観測史上1位でした。原因は、ラニーニャ現象と極渦の分裂南下など、複合的なものだそうです。遠因として地球温暖化による影響による、ジェット気流の蛇行や不安定さもあります。

 

太陽光発電の施設容量はまだ拡大しています。冬季の昼間であれば、中国電力の電力供給の半分を太陽光発電で賄っているような時間帯もあります。しかし、太陽光発電は夜間発電しませんし、雪が降るとほぼ発電しません。肝心なときに役に立たないのです。

また、中国電力管内は風力発電も比較的多くて、いい風が吹いていると電力供給の5%くらいを担います。ところが風力発電は風が吹かなければ発電しませんし、風が強すぎても発電しません。なかなか当てになりません。

 

こういう事情で、中国電力管内の老朽火力発電所がフル稼働するという事態になりました。既に耐用年数を超えた発電所ばかりですから、トラブルなども心配です。

 

また、週明けから寒波襲来の予想ですので、再び電力需給が厳しくなるかも知れません。

「カーボンニュートラル」を目指すという方針もあります。冬季の省エネに有効な手立てを考えて、実行していかないといけません。