日本国民は、戦後75年間の努力によって、世界で最も優れた医療制度を得たはずでした。
人口1億2500万人の日本には、160万床の病床があり、310万人の医療従事者がおり、3万台の人工呼吸器をはじめとした世界最高水準の医療機器が揃っています。欧米先進国と比較しても、圧倒的な水準で、まさに白い巨塔だったはずです。この巨塔をつくったのは、日本国民が戦後75年に渡って、税金や保険金として支払ってきた資金が源泉です。
日本国民が信頼していた白い巨塔が、欧米諸国と比較して1/100の脅威しかない日本の新型コロナ感染症で脆くも崩壊しそうです。
暴風雨でも揺らがないと信じていたタワーが、ほんの微かな風で倒壊するかも知れないと言われても、俄かに信じられないというのが本音でしょう。
☞ 2020/03/13 新型コロナでは日本は医療崩壊しない
普通の日本人の感覚としては、医療者に騙された。これまで、私たちが医療インフラ構築のために負担してきた、税金や保険料は、どこに行ったのか!と怒るのが当然です。ところが、マスコミなどでは、医療従事者を賛美するような報道ばかりです。
現場の看護師さんたちを慰労するのは当然ですが、彼女たちを前面に出して、厚顔にも「医療崩壊は当然」と言うお偉いさんたちは許せません。
もし、他の業界で、経営者が事業に失敗して、苦境に喘ぐ従業員を前面に出して、会社が倒産するから何とかしてくれと言えば、大変な批判を受けることになります。
例えば、リーマンショックのような経済恐慌が世界を襲ったとします。日本のダメージが欧米諸国に比較して小さいのにも関わらず、証券業協会とか銀行経協会とかの会長が、日本の金融制度の崩壊の危機と訴えたとしたら、あなたはどう思いますか?
繰り返しになりますが、日本国民は世界最高水準の医療インフラを構築しています。人・モノ・カネ・技術、全ての点でこのレベルは今も維持されています。
それなのに、欧米に比べて1/100レベルの感染者が出たところで、医療崩壊を起こすというのであれば、その原因がどこにあるのかを説明する責任が、医療界にはあります。