山口の外郎はわらび粉でつくる

山口の外郎は、大内氏の時代からつくられていたという説があります。

 

山口の外郎は、例えば名古屋や岐阜の外郎とは全く違うお菓子です。しっとりして弾力があり、きめ細やかで滑らかで上品な和菓子です。西の京、山口の風情とよく似合っています。これは、名古屋などの外郎が米粉を主原料としているのに対して、山口の外郎はわらび粉を原料にしていることが主な要因です。

 

わらび
わらび

実際のところ、山口の外郎が大内氏の時代からつくられていたかは、わかりません。

はっきりしているのは、400年近く前の江戸時代に福田屋という和菓子屋さんが、現在のレシピと同じ、わらび粉を使った外郎を製造していたことです。

福田屋さんは、今はやっていないのですが、山口の外郎の製法は、基本的には当時と変わっていないそうです。

 

山菜として生産されるわらびは、山形県が日本の産地です。国内生産の半分を占めます。ついで、新潟県や福島県などで収穫されます。一方で、わらび粉になるわらびは、鹿児島県など南九州が産地です。わらび粉は、わらびの根からとられるので、茎から上は必要ないのです。

 

さて、山口の外郎は、名古屋の外郎とは全く違うお菓子で、とても素晴らしいのですが、大きな欠点があります。それは、日持ちがしないことです。

山口の外郎が美味しいのは、やはり生外郎です。何と言っても、作り立てが一番美味しいのです。このため、名古屋の外郎と違って、手土産品にし難いのです。

 

つまりは、美味しい山口の外郎を賞味するには山口に来ていただくのが一番です。紅葉の秋を迎えて、西の京・山口は、ますます素敵です。

GO TO トラベルも賢く利用して、おいでませ山口へ!