満月の日に計量器を校正。11月1日は計量記念日

昨日はハロウィン。46年ぶりに、満月と重なりました。次は38年後だそうです。

 

今年は、コロナ禍で例年のようなハロウィンイベントが開催されませんでした。せっかくの満月、しかも晴天だっただけに、ちょっと残念だったですね。日本でも、ハロウィンの市場規模は大きくて、「バレンタインデー」「母の日」「ハロウィン」は三大記念日イベントとされています。それぞれ、1200~1300億円くらいの消費が想定されています。

 

ハロウィンは満月
2020年のハロウィンは満月

2020年の「バレンタインデー」の市場規模は、前年より増えて4%増の1310億円でした。金曜日に当たったというのが、プラスだったと思います。

一方で、コロナ騒動の真っ只中の「母の日」は市場規模を判定することができなかったそうです。需要を当てにしていた、事業者さんにとっては大きな打撃になりました。

 

ハロウィンが明けて、11月1日は計量記念日です。

経済産業省の4大記念日の一つです。現在の計量法(新計量法)が993年11月1日に施行されたことを記念しています。

 

人は計量する存在です。朝起きたときに、時計を見ない人は少ないでしょう。パンを焼くのも、コーヒーをいれるのにも、時間や量をはからない人はいません。トースターで使われる電力の量も、お湯を沸かすガスの量も、計量されています。もちろん、パンをつくるにも、パンの原料である小麦をつくるのにも、トースターのヒーターをつくるのにも、あらゆることに計量が欠かせません。

 

近代的な製造業では、生産コストに占める計量コストの割合は、10~15%になります。日本や欧米などの先進国では、GDPの5~7%を計量が占めます。計量は、とても重要な分野であり、正確な計量が現代社会を支えています。

 

人類と計量の最初の係わりはわかりません。現在、分かっている最も古い計量に関する取り決めは、3000年前の古代エジプトに遡ります。

古代エジプトでは、長さの単位が「メフ」と言いました。これは、ロイヤル・キュービットとも言われるもので、ファラオの肘から中指の先までの長さを基準としていました。現在の長さでは約50㎝に相当します。

 

古代エジプトでは、満月の日にあらゆる計量器の校正をおこなっていました。1メフ(1ロイヤル・キュービット)を正確に転写した、花崗岩の板を使って公正をするのです。

これらの校正を管理するのは、宮殿建築家の役割です。満月の日に、この公正が正確におこなわれてなかった場合、建築家には死刑が待っていました。

満月の日は、計量を司る者にとって、とても危険な日だったのです。