省エネ法でエネルギー使用量を報告するときは、原油換算をおこないます。
燃料の種類によって、単位重量あるいは単位容量あたりのエネルギー量が異なるので、これを最も基礎的な燃料である原油に換算して、合わせるということです。例えば、灯油1ℓは36.7MJ(メガジュール)、ガソリン1ℓは34.6MJです。プロパンガスは1㎥(1000ℓ)当たりで44.9MJ、石炭なら1㎏あたり25.7MJ、電気は1kWhが9.76MJなどです。
灯油とガソリンは、両方が液体なので直接比較できますね。
灯油の方が、ガソリンより1ℓあたりのエネルギー量が大きいのです。ちなみに、軽油は1ℓが37.7MJ、A重油は39.1MJです。
原油を温めるとガスが発生します。170℃以下くらいの低い温度でガス化する成分を集めたものがガソリン(揮発油)です。
もう少し温度を上げて250℃以下くらいで集めたものが灯油、350℃以下くらいが軽油、それでも沸騰しないのが重油です。
沸点が高い燃料ほど、単位容積当たりのエネルギー量が小さいということになります。
それぞれの燃料の直近の市場価格は、1ℓあたりで、ガソリンが134円、灯油が80円、軽油が115円、A重油が68円です。(A重油は産業用小型ローリー)
これを、エネルギー1MJあたりの価格に直してみると、ガソリンは134÷34.6=3.87円になります。灯油は2.18円、軽油は3.05円、A重油なら1.74円です。
ガソリンと軽油は、税金がかかるので割高なことがわかります。
同様に、電気は、電気料金を22円/kWhとすれば、エネルギー1MJあたり2.25円になります。プロパンガスは、配達が必要な家庭用では、仮に800円/㎥とすれば1MJあたり17.8円と高くつきます。都市ガスは、同じガスでも配達が要らないので半額くらいになります。
ガスはタンクローリーで運ばれる産業用ではグッと安くなります。200円/㎥として、1MJあたり4.45円です。それでも、ガスはエネルギー単価では割高なのですが、装置がシンプルでイニシャルコストやメンテナンスなどの保守コストが安くなることなどから、よく使われます。