新型コロナ、ワクチンや治療薬に前のめりにならないで

アビガンを製造する富士フィルムが「国内臨床第Ⅲ相試験にて主要評価項目を達成」とプレスリリースしています。なんだか、期待できそうですが・・・?

 

発表の内容は、”非重篤な肺炎を有するコロナ感染者156例を対象に・・” PCR検査陽性で中等症の患者さん156人が対象です。この156人をランダムに、アビガンとプラセボ(偽薬)を投与したグループに分けて観察したら、症状が軽快してPCR陰性が確認できた日数の中央値が、”「アビガン」投与群で11.9日、プラセボ投与群では14.7日”だったというもの。尚、有意確率(p値)=0.0136でした。

 

前のめり
前のめり

ここに至っても、たった156人のデータしか取れないのですね。日本では、コロナ騒動は賑やかですが、実際には患者さんが少ないので試験をするのが困難です。

 

この試験は”単盲検比較試験”でおこなわれたということなので、患者さんは投与された薬がアビガンか偽薬かを知らないのですが、投与する医師は知っている状態です。

患者さんを、およそ80人ずつに分けて、アビガンとプラセボを投与したら、軽快までの日数に2.8日の差があったというわけです。

 

この2.8日の差が患者さんにとって、有意義なのか?、どう思いますか?

アビガンに危険性がゼロなら、多少の価値はあるかも知れませんね。しかし、アビガンには催奇形性など危険性があることが知られているので、積極的に使う気にはなりません。

 

今回の試験が非重篤な肺炎、つまり中等症の患者さんを対象にしているのは、重篤な患者さんでは効果が確認できていないからのようです。副作用による弊害が大きいとか、むしろ死亡率が高くなったという報告がされています。

藤田医科大学 ファビピラビル観察研究中間報告(2020年5月15日現在)

藤田医科大学 ファビピラビル観察研究中間報告(第 2 報)(2020年6月26日現在)

(ファビピラビルというのがアビガンの成分の名称で、投与したのはアビガンです)

 

政府は、ワクチン開発も加速させて、全国民に接種させるという方針のようです。

さらに、ワクチン接種による副反応での被害は、全て国が被って製薬会社には補償を求めないと言っています。はてさて、そんな恐ろしいことが、本当におこなわれるのでしょうか?

 

有効性が確かではないワクチンでも、安全性が確実なら、おまじないとして効果があるかも知れません。インフルエンザワクチンでも、毎年、死亡したり重篤な後遺症が残ったりする人が出ます。安全性の評価ができないまま、前のめりに接種を広げると、とんでもないことになります。よく、考えて欲しいところです。