ニュースをみて、6人の任命を拒否したというので、誰かと気になりました。
「学問の自由」と騒ぐ意図もよくわからないのですが、そもそも、学術会議は、この6人をどういう理由で推薦したのか聞きたいと思います。3人は、民科の方で、学者でもありますが、活動家の側面もあります。2人は安倍政権打倒運動を主導していた人です。ただ、もう一人は、よくわかりません。学術的な功績がありそうな感じがします。
学術会議の会長はノーベル賞を受賞した物理学者の梶田隆章さんです。しかし、梶田さんは10月1日に就任したばかりで、今回の推薦をしたときは、前任の山極 寿一さんが会長でした。山極さんは京都大学で霊長類の研究をしてきた人です。
まぁ、事情はよくわからないのですが、学者の世界も、徒弟制度があるようです。親分格のおじいちゃんの言うことをよく聞くかわいい後輩が偉くなります。
そういうなかで、自由立候補制の選挙だったものを、各学会推薦による選挙に替え、現在では現会員が後任を選ぶという仕組みに変えています。中曽根内閣が推薦された会員をそのまま認めるといったのは、自由立候補制の選挙を経て推薦された会員です。
梶田さんのような国際的な業績を上げた学者さんはともかく、なんとなく親分の覚えめでたい人が選ばれそうです。この仕組みで選ばれた人を、推薦理由も言わずに、全員認めろというのも、素朴に乱暴なような気がします。
憲法違反という話もおかしくて、日本国憲法は「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」ではじまります。憲法は、国民主権をうたいながら、国民を信用していないのです。私は、日本国憲法は前文を含めて改正すべきと思っています。
選挙をおこなわないで、人選をしていくと、どういうわけか、いわゆる進歩的左翼の方が増えていきます。学術会議が、中国の千人計画(中国が国家発展のために海外から学者を集める計画)に積極的に関わっている~但し、今回の6人は違うでしょう~という報道は事実のようです。学術会議側も、説明を求められて、当然だと思います。
学術会議の役割は、政府からの諮問に応える機関だと説明がありますが、最後の諮問(答申)は2007年(小泉純一郎内閣)のことですから、あまり当てはまりません。
日本のアカデミーとしては、先ず日本学士院があります。また、研究助成の機能は、日本学術振興会が持っています。学士院・学術会議・学術振興会という3つの組織が機能分担をしているかたちなので、学術会議の存在意義がわかりにくくなっています。
さらに、他の国のアカデミーと比較しても、活動費が全額国費で賄われ、会員が任期付き任用の国家公務員の身分というのは、かなり稀有な存在です。
一方で、日本学士院が小規模なこともあり、学術会議の機能は必要であることは確かです。
この際、他の国のアカデミーも参考にして、組織の再編と強化をはかってはどうでしょうか。
今回の件で学術会議の知名度があがったので、外部資金の獲得も容易になると思われます。もちろん、日本国を侵そうとする機関から資金を得てはいけませんが、独立性を獲得することができると思います。