第一四半期:決算発表の折り返し ものづくりが厳しい

2021年3月期の第一四半期決算発表が折り返しの時期です。なかなか厳しいです。

 

ここまでの決算発表で、第一四半期の純損失が最も大きかったのは日産自動車です。2856億円の巨大損失です。2位も同じグループの三菱自動車で、1762億円の損失を計上しました。自動車メーカーでは9位に667億円の純損失でマツダも入っています。6位が自動車部品最大手のデンソーの901億円です。

 

マイナス
マイナス

日本の製造業(ものづくり)を支えてきた自動車メーカーの業績悪化はとても心配です。

2020年上半期の世界の自動車販売は20%強の大幅な減少となりました。

 

よくクルマ1台には3万の部品が使われていると言います。自動車メーカーに部品を納入する部品メーカーが3万社あるわけではありません。しかし、1つの部品をつくるには、やはり多くの材料が必要です。

 

私の元の会社は素材メーカーでしたから、最終的に自動車に使われる各種の材料をつくっています。重要なパーツでは、モーターやセンサー用の磁性材料、レーダーの電磁波干渉抑制材、ブレーキ用の摩擦材などもありますし、塗料材料も納めています。

こうした材料まで考えると、1台のクルマには、3万社以上の中堅・中小企業(の従業員)の生活がかかっていると思って構いません。大変なことです。

 

現時点で発表済みの第一四半期純損失額のランキングです。単位は億円。

2021年1~3月期決算企業の第一四半期 純損失額ランキング50(2020.8.3現在)
2021年1~3月期決算企業の第一四半期 純損失額ランキング50(2020.8.3現在)

12位のアイシン精機、13位の住友電工、16位のジェイテクト、20位のトヨタ紡織、以下、NTN、東海理化、アルプス電気、日野自動車、東海ゴム、フタバ産業、小糸製作所、フジクラ、豊田合成、日産車体と、自動車関係のメーカが続きます。

事態は、マスコミ報道どころではなく、一層深刻です。

 

損失だけでは暗くなるので、利益のランキングです。単位は億円。

2021年1~3月期決算企業の第一四半期 純利益額ランキング50(2020.8.3現在)
2021年1~3月期決算企業の第一四半期 純利益額ランキング50(2020.8.3現在)