コロナ対策~換気の目安は二酸化炭素濃度

新型コロナ感染症の感染拡大対策として三密を避ける、があります。このなかでは、とりわけ換気が重要です。

 

換気が十分におこなわれているかが、はっきりわかるのが二酸化炭素濃度のモニタリングです。国の基準では、二酸化炭素濃度1000ppmを換気が十分におこなわれている基準としています。わかりやすい指標だと言えます。

 

換気をしよう!
換気をしよう!

屋外の二酸化炭素濃度は400ppmを少し超えるくらいです。季節変動もありますし、高いときは450ppmくらいにはなります。

無人でも換気をしていない室内の二酸化炭素濃度は、少し高くなって700~800ppmくらいまでにはなります。

 

もし、この部屋に人が登場すると、二酸化炭素濃度はドカンと跳ね上がります。人間は(動物は)、二酸化炭素発生装置です。

 

ざっくり考えてみましょう。

仕事をするスペースの一人当たり面積が10㎡(2坪:6畳間くらい)とします。天井の高さが2mとすれば容積は20㎥です。空気の重さは、大雑把に1㎥で1㎏ですから、ここには20㎏の空気があります。

誰もいない部屋の二酸化炭素濃度が500ppmとすると、ここには10gの二酸化炭素があります。(20,000g×500/1,000,000=10)

 

人間は呼吸をします。空気中の酸素を使ってエネルギー代謝をおこない、これによって生じた二酸化炭素を排出するガス交換です。二酸化炭素の量は、代謝の量によって変わります。

人間が排出する二酸化炭素量は、子供と大人、小さい人と大きい人で違います。安静にしていると少ないですが、作業をしたり、運動すれば多くなります。

 

大雑把には、成人男性が安静時に排出する二酸化炭素量は1時間当たり20gくらいです。事務作業をすれば2倍の40g、軽作業をすれば3倍の60g、と増えていきます。体の小さな子供や女性は、その分減ります。大きな体の人は、その分増えます。

細かいことは置いとくと、人間が排出する二酸化炭素量は思うよりずっと多いのです。

 

さきほどの10gの二酸化炭素があるスペースで、1時間の事務作業をして40gの二酸化炭素を放出すると、合計50gとなり、二酸化炭素濃度は2500ppmになります。但し、全く空気の入れ替えがない場合です。

こういう環境でわかりやすいのは自動車です。外気を取り入れないで運転していると、二酸化炭素濃度は5000ppm以上になっています。

 

人がいる空間で二酸化炭素濃度1000ppm以下にするには、換気が必要になります。さきほどの二酸化炭素濃度が2500ppmになる20㎥の空間を1000ppm以下に保つには、計算上では1時間に60㎥の外気と空気の入れ替えをする必要があります。

 

換気がうまくできているかどうかを知るのに、二酸化炭素濃度は簡便でとても良い指標です。