新型コロナウイルス、手を洗いすぎると風邪をひく

東京で新規感染者が200人を超えたから大変だ!って、また騒ぎになっています。

 

データを素直に見ればいいのではないでしょうか? 寒い時期に肺炎や風邪の症状を示した人をPCR検査したら、新型コロナの陽性者率が10%超だった。つまり、他のウイルスとか細菌が原因で肺炎を発症していたわけです。暖かくなって、無症状の人を集めてPCR検査したら、新型コロナの陽性者が5%弱だった、というわけですよね。

 

肺炎と風邪の違い
肺炎と風邪の違い

冬には肺炎や風邪の症状を出す人がたくさんいます。毎日、数百人が肺炎で亡くなりますし、風邪にもしょっちゅう罹ります。

そういう人のなかから、新型コロナウイルスに感染していると疑われる人をPCR検査しました。そうすると、ウイルスが検出されて陽性となる人が10%くらいいました。

 

そのときも、新型コロナウイルスに感染している人はもっといたはずです。しかし、症状が全く出ないか、とても軽いので検査の対象にならなかったというわけです。

 

呼吸器系疾患死亡率(2018年)
呼吸器系疾患死亡率(2018年)

夏になると、暖かくなって急性の肺炎や酷い風邪に罹る人は減ってきました。

しかし、夏場でも肺炎や風邪に罹る人はいます。グラフが最新の2018年のデータですが、肺炎で亡くなる人は、冬を10とすれば夏は6くらいです。

しかし、冬場のような急性の肺炎ではなく、高齢者で緩慢に進行する肺炎が多いと思います。このため、新型コロナウイルス感染症の検査対象ではなくなってきたのでしょう。

 

ここにきて、PCR検査体制は拡充されているので、誰かを検査しないとお金のムダになると考えるようになりました。そこで、代わりに感染者と接触していた無症状の人を検査することにしました。そうすると、新型コロナウイルスに感染している陽性者が、検査した人から5%近くも見つかったというわけです。

 

冬の間でも、無症状の人をPCR検査していたら、同じように陽性者が出ていたのではないかと思います。また、新型コロナウイルス感染症が疑われない肺炎の患者さんをPCR検査すると、やはり陽性者が出ていたかも知れません。

要するに、検査している対象が変わってきているのです。

 

いずれにしても、導かれる結論は、(これまでも言われていることと同じですが)新型コロナウイルスに感染しても、多くの場合は特異的な症状が出ないか、出てもとても軽い場合が多いということだと思います。

 

最後に、具体的に数字を並べてみると、4月の上旬では1日に5000人のPCR検査をして、550人が陽性となり、およそ10日後の陽性者の死亡が25人というイメージです。

この頃は、検査しているのは有症者(つまり、肺炎か風邪の症状が出ている)が大半です。PCR検査で陰性だった、残りの4450人は新型コロナウイルス以外のウイルスか細菌に感染して肺炎や風邪の症状を示していたわけです。

 

尚、最近1週間では1日に6000人のPCR検査をして、250人が陽性となり、1日に1人が亡くなっています。ほとんどの人が無症状です。

 

この結果に、あまり不思議が無いような気がします。

例えば、PCR検査を受ける人(陽性になる人も陰性になる人もランダムに)に、新型コロナウイルスだけでなく、既存の風邪のコロナウイルス4種類のPCR検査もしてみてはどうでしょうか? クラスター内は同じコロナウイルスの感染している?それとも、人は同時に1種類のコロナウイルスにしか感染しない? を知りたいです。

  

※ 風邪の病原体は100種類くらいあって、そのうちコロナウイルスが4種類(OC43・NL63・HKU1・229E)あるそうです。風邪の10~20%がコロナウイルスが原因と言われるとちょっと昔の記事にありました。<信頼性は不明です。>

 

昔から、手を洗いすぎると風邪をひくといいます。

感染症対策をしっかりしたので、他のおなじみのコロナウイルスがいなくなった。そこで、代わりに新型コロナウイルスに感染することになったけど、症状はやっぱり出ないなんてことはないでしょうね。風邪をひいていると、インフルエンザに罹らないとも言いますし・・

結局、これまでの日本人が営んでいた、普通の暮らしが一番安全なのだと思います。