山口県は雨が多いのね?誤解です。

宇部市でも、梅雨に入ってから雨の日が増えています。温暖化の影響もあるのか、今年は梅雨らしい、しとしと雨でなくて、陽性の強い雨がしばしば降っています。

 

九州出身で東京に住んでいた人が、宇部市に越してきました。山口県は意外に、雨が多いのだね? 都道府県別の降水量を見ていたら、全国平均より多いというのに驚いた。ということでした。これは、誤解です。

 

山口県(地図)
山口県(地図)

山口県は・・・、とまとめて言うのは、気象などの自然現象では、あまり適切ではありません。まぁ、山口県に限らず、そういうことは言えるのでしょうが?

 

山口県の場合は、県庁所在地である山口市のデータか、県内唯一の中核市である下関市のデータが、県を代表するものとして使われることがあります。

 

先ほどの方が見られた年間降水量のデータが、1975mmでした。これは、山口市のデータを使っています。

 

山口市は、山口県のちょうど真ん中に位置する山口盆地のなかにある町です。広域合併したので、人口は20万人弱になっていますが、県庁所在地としては小さな町です。盆地にある山口市の気象データが、山口県を代表するわけではありません。

例えば、山口市の2019年の年間降水量1975mmは、山口県内の主要観測地点14のなかではダントツに多くなっています。下関市が1607mm、宇部市は1402mmでした。

 

気象でいえば、山口県は福岡管区気象台の管轄エリアになります。

福岡管区気象台は九州北部と九州南部を管轄していますが、山口県は九州北部になります。

今年で言えば、中国地方の梅雨入りが6月10日で、九州北部が1日遅れの6月11日でしたが、山口県は九州北部と同じく6月11日の梅雨入りです。

山口県にある地方気象台は、下関市の下関地方気象台です。(地方気象台は管区気象台が無い府県にはそれぞれ1か所あります。県庁所在地と異なるのは、他に滋賀県の彦根地方気象台と埼玉県の熊谷地方気象台の2つです。)

 

ところが、下関市の気象データが山口県を代表するわけでもありません。

関門海峡に面した下関市の気象は、かなり独特です。三方が海に囲まれているので、夏は湿度が高いですが気温はそれほど高くなく、冬もあまり気温が下がらず雪も降らないのですが、玄界灘からの北西の季節風が強く吹きます。

 

本州の西端で、三方を海に囲まれる山口県は、いろいろ複雑です。おもしろいことが、たくさんあります。 おいでませ、山口へ!