時の記念日に時を計る

1秒は(簡単に言えば)セシウム133原子の超微細構造の周波数 の9,192,631,770倍。

 

これが時を計るときの定義なんです。人が時の長さを認識するのも計るのも、何かの繰り返しの周期を感じるからです。1年365日を認識するのは太陽と地球の間の周期ですし、1日は地球の自転の周期です。昔の時計は振り子の周期で時を計りました。

 

1秒の定義
1秒の定義

計量の世界ではSI基本単位の再定義がおこなわれています。

質量の単位キログラム(㎏)が、キログラム原器による定義から、プランク定数による定義に変わったことはこのブログでも書きました。

電流の単位アンペア(A)は、電気素量による定義に変わりました。温度の単位ケルビン(K)は、水の三重点による定義から、ボルツマン定数による定義に変わっています。物質量の単位モル(mol)は、アボガドロ数によって定義されるようになりました。

 

時間の単位秒(s)は、古くは地球の自転周期で定義(1日を86,400秒)されていました。1956年に地球の公転周期による定義(1年を31,556,925.9747秒)に変更されて、その後1967年に現在のセシウム133原子の周波数による定義に変わっています。

 

50年以上も前のことです。現在の1秒の不確かさはかなり大きくて、10のマイナス15乗くらいあります。なんと、3000万年で1秒”も”狂うのです。

というわけで、秒の再定義が20年くらい前から検討されています。光格子時計に変更されると精度が約1000倍向上します。300億年に1秒の狂いになる予定です。

ちなみに、ビッグバンで宇宙ができてから138.2億年です。

1秒の定義の変遷(MMIJ)
1秒の定義の変遷(MMIJ)