世界一危険な大都市は東京:これは間違いない

新型コロナ感染症は怖くないですが、それでも東京は世界の大都市のなかで最も危険です。

 

スイスの研究機関が出している自然災害に関する世界の大都市圏(616の都市圏)のリスク評価があります。評価しているのは、地震・台風・洪水・高潮・津波の5つです。5つの要因による労働損失日数を合計したランキングでは、1位が東京ー横浜、2位が大阪ー神戸、3位が名古屋となって、日本の3大都市圏が上位を独占しました。

 

世界の大都市圏 自然災害リスク
世界の大都市圏 自然災害リスク

日本は自然災害のリスクが大きな国です。それに加えて、大都市圏への人口集中が進んでいることから、被害が甚大になりやすいのです。首都機能移転をはじめとして、地方への資源の分散を積極的におこなうことは、ポスト・コロナの経済対策としても重要です。

 

5つの要因別に労働損失日数のランキングは以下です。

◆地震:1位)東京ー横浜・2位)ロサンゼルス・3位)サンフランシスコ・4位)大阪ー神戸・5位)名古屋。

◆台風:1位)東京ー横浜・2位)大阪-神戸・3位)珠海デルタ・4位)名古屋・5位)台北。<珠海デルタとは、香港・澳門・深圳・広州などが入るエリア。台風で影響を受ける人口の多さでは約4000万人で1位になる>

◆洪水:1位)東京ー横浜・2位)名古屋・3位)大阪-神戸・4位)パリ・5位)珠海デルタ。

◆高潮:1位)珠海デルタ・2位)アムステルダム-ロッテルダム・3位)大阪-神戸・4位)東京-横浜・5位)名古屋。

◆津波:1位)名古屋・2位)東京-横浜・3位)大阪-神戸・4位)釜山・5位)イズミル。<イズミルは、トルコ西部エーゲ海に面した都市>

 

日本の三大都市圏は、どんな自然災害でも遍くリスクがあるというわけです。こんな都市圏は世界にありません。

また、三大都市圏に限らず、日本列島はどこでも自然災害リスクが高いのです。これまで起こっていなくても突然地震が襲う(例えば、2000年の鳥取西部地震など)こともあります。台風は列島全土にリスクがあります。洪水の可能性がある河川流域や、高潮が襲うかもしれない沿岸地域に多くの人が住み、施設が機能しています。津波は少しの高台や、海が見えない内陸にまで押し寄せることもあります。

 

新型コロナ禍が終息を待たず、自然災害に対する備えを、改めて考えておかなければなりません。不測の事態を想定して、事業継続力を強化することが大事です。